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市況・概要 2026/08/09 09:00 一覧へ

ユーロ円で日米友好介入【フィスコ・コラム】

*09:00JST ユーロ円で日米友好介入【フィスコ・コラム】 トランプ米大統領が「友好の証」とした7月末からの日米協調介入は、ドル・円が「防衛ライン」の160円を4円近く上回った水準でした。円安が常態化した最近の為替市場では今後、日米中銀会合のタイミングのほかユーロ・円相場が注目材料に加わりそうです。


米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合の開催のタイミングで、4月に続き為替介入が実施されました。ドル・円は8月第1週にかけて、164円付近から155円台前半まで急落。政府・日銀は7月30日と31日、8月3日に合わせて12-13兆円規模の円買い介入を実施したと推測されます。日米両政府は公式に介入実施を発表し、両国の協調関係をアピールするという異例の展開でした。


前回はドル・円が160円台だったため、同水準はその後「防衛ライン」として市場が共有。しかし、160円を上回っても、閣僚や政府関係者の円安牽制に熱量は感じられず、介入はやや遠のいたとの見方もありました。ところが、7月末から3営業日連続して実弾を投入。やはり米国を巻き込んだ介入はインパクトが大きく、回復のペースは緩慢に。今後の戻りのメドは「160円が精一杯」(短期筋)とみられます。


注目されたのは、米国が円買い資金をドルではなくユーロで調達した点です。ドル・円だけではドル高の影響を切り分けられませんが、ユーロ・円が同時に歴史的な円安水準まで上昇していたことは、円そのものが主要通貨全般に対して売られているとの認識につながります。介入資金をユーロで調達した以上、ユーロ・円相場が介入のタイミングを判断する一つの材料だった可能性も否定できません。


ベッセント米財務長官は、協調介入後に「円は大幅に過小評価されている」と発言。ドル・円だけを指したものではなく、円の実力を主要通貨全体との比較で評価したとの解釈も成り立ちます。実際、ドルではなくユーロを使った介入は、ドル売りによる米国債市場への影響を抑えながら円を支援する狙いがあったと指摘されます。米国が「ドル安」と「長期金利安定」を同時に追求する中で「ユーロ経由」は重要なメッセージになります。


今後の焦点はユーロ・円の値動き。欧州中銀(ECB)は利上げ終了の見方からユーロに積極的な買いは入りづらいものの、域内を襲う熱波や干ばつでエネルギーや食品の価格再上昇が見込まれ、金融政策にも影響を与えそうです。クロス円がドル・円の押し上げ要因にもなりかねず、市場は引き続きユーロ・円の水準に目配りが欠かせないでしょう。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。

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