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銘柄/投資戦略 2026/08/17 11:39 一覧へ

ダイナムジャパンHD Research Memo(9):創業60周年を迎える2027年に、成長軌道への本格復帰を目指す

*11:39JST ダイナムジャパンHD Research Memo(9):創業60周年を迎える2027年に、成長軌道への本格復帰を目指す ■ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>のパチンコ市場の動向と今後の見通し

パチンコ市場はレジャーの多様化や、のめり込み対策として射幸性を抑える規制強化を受け、長期縮小トレンドが続いている。パチンコ・パチスロ店舗数は、コロナ禍で経営状況が一段と厳しくなったことに加えて、2022年のスマート遊技機の導入で資金需要も高まり、投資余力のない中小規模店舗の閉店が加速し、2025年12月末の店舗数は前年比242店舗減の6,464店舗となった。2020年と比較すると70%の水準まで減少したことになる。遊技機の設置台数についてもパチンコ・パチスロ機合わせて同2.8%減の3,234千台と減少傾向が続いた。減少ペースは2022年をピークに減速しているものの、依然として下げ止まりの兆しは見られない。1店舗当たり遊技機設置台数は2020年12月末の443台から2025年12月末は500台と増加傾向が続いており、中小規模店舗の淘汰が進んでいる。

業界全体では、経営体力のある大手企業の寡占化が一段と進んでいる。大手企業の店舗数も2020年以降は減少に転じているものの、店舗数上位5社の市場占有率で見ると、2020年末の約13%から2025年末は約16%に上昇した。今後も大型店舗を運営できるリソースを持つ企業や、同社のようにローコストオペレーションを確立している企業がシェアを拡大し、残存者利益を獲得するものと予想される。

ちなみに、同社グループにおける2026年3月末時点の1店舗当たり平均設置台数は501台と業界平均並みの水準となっている。出店戦略として、地方の人口集積地(人口3~5万人の商圏)に集中的に出店し、多店舗展開を進めてきたことが背景にある。人口の減少ペースが速い地方での店舗数が多いことが、店舗稼働率の回復の足かせになっていると見られるが、前述のとおり気軽に楽しめるパチンコ機を求めるユーザーが増えており、娯楽性を追求してきた店舗づくりを志向してきた同社にとっては、追い風となる可能性がある。特に、2027年以降は、パチンコ機で射幸性よりも娯楽性を重視した新機種が多く投入されることが見込まれ、稼働率を回復させ、パチンコ事業を再成長軌道に乗せる好機になると予想される。2027年は同社にとっても創業60周年にあたることから、様々な施策の展開が予定されており、今後の動向が注目される。



■株主還元

2026年3月期の1株当たり配当金は前期比横ばいの5.0円

同社は、持続的な企業発展に不可欠な株主価値向上を重視しており、株主還元に対して高い意識を持っている。そうした背景から、連結配当性向35%以上を目安に安定した配当を継続する方針を示しており、自己株式取得も基本方針の1つと位置付け適宜実施している。

2026年3月期の1株当たり配当金は前期比横ばいの5.0円に決定した。配当性向は133.1%と100%を超過するものの、安定配当を重視して横ばいを維持する方針をとっている。



■ESGの取り組み状況

国際基準でESG活動を推進、省エネ店の拡大や地域との防災協定推進

同社は、環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の各視点から明確な方針を定め、投資家を含むすべての信頼関係者(ステークホルダー)にとっての価値を高める取り組みを継続している。

「信頼と夢を育む百年の挑戦」という企業理念の下、永続的に成長を達成するという理想を掲げてESG活動を展開し、各カテゴリーにおいて、最新の国際ガイドラインや香港証券取引所上場規則に則った情報開示を行っている。詳細については、同社ホームページ及び「ESG Report 2025/2026」で確認できる。ESG投資が注目されるなか、投資家との対話ツールとして重要な役割を果たすことが期待される。

1. 環境への取り組み
同社グループは、地球環境問題は人類共通の課題であるとの認識の下、気候変動を中心とした環境問題に積極的に取り組み、環境負荷の低減を目指している。また、環境関連の法規や条例を遵守し継続的な環境マネジメントを実践している。

気候変動やエネルギー消費、汚染などの地球環境問題は経済活動がその一因とされ、地球温暖化については国際的な目標も定められた。同社グループは、脱炭素社会における事業運営について、過剰なエネルギーの消費によるCO2排出を抑制するため環境負荷の小さい木造店舗、エネルギー消費の適正管理(省エネ対応、節水型トイレの設置等)、グリーンITの推進(文書のデジタル化、Web会議の推進等)、廃棄物を出さない仕組みとその適切な処理(中古遊技機の有効利用・リサイクル、木造店舗、一般廃棄物の再資源化)に努めている。省エネへの取り組みとしては、グループ全店舗にBEMS、LED照明、及び省エネ型空調設備の導入を推進しているほか、2023年ごろから店舗への太陽光発電パネルの設置も進めている。設置実績としては、2025年12月末時点で全体の約1割に当たる41店舗となっており、年間約500万kWhの発電をカバーしすべて自店舗で消費している。

2. 社会への取り組み
同社グループは、顧客、地域社会、取引先、従業員、株主・投資家といった、それぞれの信頼関係者に対する取り組みを通じて社会的価値の向上を目指す取り組みを行っている。

「パチンコ=日常の娯楽」という価値を創造するため、「顧客第一主義」という経営方針の下で顧客視点でのサービス提供、のめり込みに対する対応、「地域のインフラ」を標榜した活動、遊技機メーカーとのPB機の開発、女性活躍推進を含む人材育成、ワークライフバランスと働き方の最適化、健康経営、さらに投資家への説明会の実施など、社会的価値の向上に向けて多様な取り組みを行っている。

「地域のインフラ」を標榜した活動では、高齢者の自律支援、地域における雇用促進、災害対応と復興支援、スポーツ支援などのほか、企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を通じて地方創生事業への寄付活動も行っている。主な取り組み実績として、各自治体との防災協定を306店舗(前期末は279店舗)で締結しているほか、災害用トイレ設備を全国の物流センターに配備している。また、地域大型イベント(大曲市花火競技大会等)への店舗駐車場の貸し出しや、1,006万円の企業版ふるさと納税を行った。そのほか健康経営にも取り組んでおり、2026年に2年連続で(株)ダイナムが「健康経営優良法人」の認定を受けている。

3. ガバナンスへの取り組み
同社グループは、機関設計として指名委員会等設置会社を選択しており、指名委員会、報酬委員会、監査委員会の3つの委員会を設置している。指名委員会等設置会社は、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を明確にするため、意思決定・監督機能を取締役会及びその構成員である各取締役が担い、業務執行機能を執行役が担っている。また、グループ全体でリスクマネジメント強化を図る目的で各社横断的な「グループ危機管理委員会」を設置し、危機が発生した際の迅速な意思決定と情報伝達、適切な対処ができる体制を構築している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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