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市況・概要 2026/10/18 09:00 一覧へ

ブラジル大統領選後のレアル【フィスコ・コラム】

*09:00JST ブラジル大統領選後のレアル【フィスコ・コラム】 10月4日に行われたブラジル大統領選で現職が劣勢になると、外為市場は好感し通貨レアルが急騰。決選投票で同じ結果となっても、レアル高は続くでしょうか。新政権発足なら米国への接近と中国との経済関係の維持が求められ、前途は険しそうです。


ブラジル大統領選挙の第1回投票では、自由党(PL、右派)のボルソナロ上院議員(45歳)が得票率47%となり、45%の労働者党(PT、左派)のルラ大統領(80歳)を上回りました。両候補とも過半数を下回ったため、10月25日に決選投票が実施されることになりました。直近の調査ではボルソナロ氏がさらに支持を広げているもようで、このままいけば新政権の発足が見込まれます。


第1回投票の結果を受け、レアルは4%超も値上がりしました。ボルソナロ氏が掲げる歳出抑制や民営化によって、財政の立て直しが進む、と市場は期待したようです。政府債務の膨張に歯止めがかかれば、ブラジル資産を保有するリスクが下がり、海外から投資資金が入りやすくなります。右派勢力の伸長も改革を後押しする材料と受け止められ、政策転換を先取りするレアル買いにつながりました。


外交面では、トランプ政権との関係改善が追い風となりそうです。関税交渉が進み、米国向け輸出の条件が改善すれば、企業の収益を支えるでしょう。米国が関心を寄せる重要鉱物の開発でも、投資を呼び込む余地があります。一方、対米協調を優先し、BRICSへの関与を弱めるだけでは、通貨の持続的な上昇には結び付きません。中国はブラジルにとって最大の貿易相手で、大豆や鉄鉱石などの重要な輸出先です。


米国への接近で対中関係が冷え込めば販売先の確保が難しくなり、外貨収入の減少を通じてレアルを押し下げます。新政権には、安全保障では米国と協調しつつ、貿易では中国との関係を保つ慎重な外交が求められます。国内でも、公約の実現は容易ではありません。歳出の多くは年金や公務員給与などに充てられ、削減には有権者の反発が伴います。減税が先行し支出を十分に抑えられなければ、財政赤字はむしろ膨らんでしまうでしょう。


選挙で得た支持を制度改革につなげられるかが今後の焦点。当面は政権交代への期待がレアルを支えるかもしれません。ただ、勝利を先取りした買いが進んだ分、当選後は利益確定売りが警戒されます。その先の一段高には、具体的な財政再建策と輸出市場の維持が欠かせません。投資家の評価は、選挙結果から政策の実行力へ移っていくでしょう。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。

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