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銘柄/投資戦略 2026/06/24 12:47 一覧へ

ヒガシHD Research Memo(7):「中期経営計画2028」の目標数値を上方修正

*12:47JST ヒガシHD Research Memo(7):「中期経営計画2028」の目標数値を上方修正 ■成長戦略

1. 「中期経営計画2028」
ヒガシホールディングス<9029>は2020年7月に策定した長期経営ビジョン「ヒガシ21グループ VISION2030」で、目指す姿として「お客様に最高のサービスをお届けするために変革し続ける企業」を掲げ、2025年5月に策定した「中期経営計画2028」(2026年3月期~2028年3月期)では「プライム市場昇格へ向けたファンダメンタルズを完成させる3年」と位置付け、プライム市場昇格という新たなステージを目指す姿勢を明確に示した。また持株会社体制に移行してグループガバナンスを強化するほか、M&Aも活用した事業成長の加速、資本効率向上などにより企業価値の向上を図る。

主たる経営目標値としては当初、2028年3月期売上高550億円、経常利益35億円、1株当たり配当金57.0円、ROE8.0%以上、配当性向30.0%以上、従業員数1,800名を掲げたが、この目標値を初年度の2026年3月期に2期前倒しで達成(従業員数を除く)した。そして各事業領域において事業成長を推進するための投資、流山LC増床部分の本格稼働、自社大型車両増車に伴う輸送業務の拡大等により、さらなる業績の伸長が見込まれるため2026年5月に目標値を上方修正した。新たな経営目標数値には2028年3月期売上高610億円、経常利益44億円、1株当たり配当金66.0円、ROE8.0%以上、配当性向30.0%以上、従業員数1,850名を掲げた。

事業領域別売上高の計画については、オフィスサービス事業が当初計画比100百万円増額して7,300百万円、3PL事業が同3,600百万円増額して20,600百万円、ITサービス事業が同1,200百万円増額して5,000百万円、ビルデリバリー事業が同500百万円増額して2,900百万円、介護サービス事業が同200百万円増額して1,400百万円、一般物流事業が同400百万円増額して23,800百万円とした。

オフィスサービス事業は2026年3月期の大型案件の反動に加え、今後は大規模オフィスビルの供給減が見込まれるため小幅な増額にとどめたが、周辺領域までワンストップで受注できる体制の強化を推進し、引き続き首都圏を中心に案件獲得を目指す。3PL事業は流山LC増床部分の本格稼働が貢献することに加え、小牧LCを生かした名古屋地区での3PL事業拡大、物流コンサルティングを生かした新規取引先開拓などを推進し、さらなる事業拡大を見込む。ITサービス事業は「NEXT GIGAスクール構想」案件の継続対応、グループシナジー創出やSMFLレンタルとの業務提携による新規案件獲得などにより成長を目指す。ビルデリバリー事業は同社独自サービスの構築、新規ビルデリバリー拠点開設、入居テナント企業との取引拡大などにより、さらなる成長を目指す。介護サービス事業は、引き続きサービスレベルの維持・向上に取り組んで売上拡大を図る。一般物流事業は今後も自社車両の増車、冷蔵・冷凍輸送業務の拡大などにより、業容拡大を推進する。

またプライム市場への昇格に向けて、全事業領域の成長によるグループ売上高のさらなる伸長、成長投資(EC領域における新規倉庫開設・庫内作業標準化・業務効率化、新規M&Aなど)の追求、強固なグループ経営基盤(プライム市場への昇格を見据えたグループガバナンス高度化、経営資源の最適な再配分機能強化など)の構築、サステナビリティ経営(TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示、CO2排出量削減目標達成に向けた取り組み、人的資本価値向上に向けた人材育成と採用戦略、輸送安全に関する目標設定と安全に向けた取り組み、ひまわりプロジェクトを軸とした社会貢献活動など)の推進に取り組む。


連結配当性向30%以上を目安に利益還元

2. 株主還元策
株主還元については、長期的発展の礎となる財務体質の強化と安定配当の維持を基本としつつ、成長により獲得した利益を、連結配当性向30%以上を目安に還元する方針である。この方針に基づき、2026年3月期の配当(2025年10月24日付で期末4.0円上方修正、2026年5月8日付で期末10.0円上方修正)は前期比18.0円増配の60.0円(期末一括)とした。5期連続増配で配当性向は30.1%である。また2027年3月期の配当予想は前期比2.0円増配の62.0円(期末一括)としている。6期連続増配で予想配当性向は30.1%である。「中期経営計画2028」では2028年3月期の配当目標66.0円を掲げており、利益成長に伴ってさらなる株主還元の充実が期待されると弊社では考えている。


サステナビリティ経営も積極推進

3. サステナビリティ経営
サステナビリティ経営については2021年12月にサステナビリティ基本方針を制定し、各種施策を推進しているが、「中期経営計画2028」でも積極的に取り組む方針だ。

気候変動に関する指標と目標については、TCFD提言に基づく情報開示を行い、2024年3月期を基準として2031年3月期までの7年間でCO2排出量を20%削減する目標を設定している。具体的な取り組みとしてエコドライブ、低公害車の導入拡大、再生可能エネルギー由来電力への切り替え、非化石証書の購入、事務所・倉庫のLED照明化などを推進する。

人的資本価値向上については、長期経営ビジョンで掲げた目指す姿「お客様に最高のサービスをお届けするために変革し続ける企業」の実現に向けて行動できる人材の育成を目指す。具体的な取り組みとして、人材確保では年度25名(新卒・第二新卒合計)採用計画の継続、人材育成では各種研修(階層別研修、女性活躍推進研修など)の強化、労働環境整備では国土交通省の「働きやすい職場認証制度(正式名称:運転者職場環境良好度認証制度)」の二つ星認証獲得、女性管理職登用、エンゲージメント調査などに取り組む。

安全に関する取り組みでは、輸送の安全確保を最重要課題と位置付けて、グループ全体の所有車両台数に対する事故件数割合2%以内の実現、重大事故・飲酒運転及び過積載違反ゼロ件の維持などに取り組む。コーポレート・ガバナンスについては、2019年6月の指名委員会等設置会社への移行、2025年4月の持株会社への移行などを通じ、プライム市場への昇格に向けてコーポレート・ガバナンスのさらなる高度化を推進している。


中長期的に成長が一段と加速する可能性に注目

4. 弊社の視点
同社は付加価値の高い物流サービスや成長領域の物流サービスへ積極展開するユニークな総合物流企業である。そして「中期経営計画2028」の最終年度2028年3月期目標を2026年3月期に2期前倒しで超過達成するなど、長期ビジョンに基づく業容拡大戦略の成果が顕著に表れている点を弊社では評価している。さらに今後も、M&Aも活用した事業規模の拡大、陸運業界平均を上回る高収益性の達成、企業価値の向上を通じてプライム市場への昇格を目指す方針を明確に打ち出している。同社が成長投資を継続することによって中長期的に成長が一段と加速する可能性に注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)

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