ミロク情報 Research Memo(9):2029年3月期経常利益120億円に向け、生成AIを全社活用(3)
*12:09JST ミロク情報 Research Memo(9):2029年3月期経常利益120億円に向け、生成AIを全社活用(3)
■ミロク情報サービス<9928>の今後の見通し
d) 「統合型DXプラットフォーム戦略」
統合型DXプラットフォーム事業の中核をなす「Hirameki 7」は、中小企業や小規模事業者のDXを推進するためのサービスを提供しているが、c)「会計事務所ネットワークNo.1への戦略」に記載している取り組みに加えて、2026年3月に新機能としてAIによるWebサイト自動生成機能「AIサイト」の提供を開始した。同サービスは、専門知識がなくてもプロンプトを入力するだけで短時間に高品質なWebページを生成することができ、かつ生成したページのデザインや内容を自由に編集することができる。同機能の追加によって料金プランも2026年4月より一部改定した※。
※ 個人事業主でも利用可能なシングルプランを月額800円から1,200円、5IDまで利用可能なグループプランを月額3,200円から4,800円に改定した(税抜)。
販売戦略として、トライベックによるWebマーケティングやパートナー連携に加えて、同社でも既存顧客へのクロスセルや経済団体等へのアプローチを継続して行っている。AIサイトから名刺管理、営業リスト検索、メール配信など新規顧客の獲得に必要な機能をワンストップかつリーズナブルな価格での提供で訴求する。ホームページ作成を制作会社に依頼するとコストが高く、時間と手間がかかるケースが多いため、ホームページ作成を諦めてしまう中小企業が多く潜在需要は大きい。そのような中小企業に無料トライアルによる導入促進を通じて契約転換を図っている。今後はDXコンサルティングのメニューとして顧客に提案し契約件数の積み上げに注力していく方針である。
e) 「グループ連携強化によるグループ会社の独自成長促進」
グループ戦略は、グループ内取引の適正化によりグループ全体のコスト低減を図り、子会社の収益体質を改善していくほか、評価・教育プロセスの共通化によりグループ内の人的資本強化を図っている。効率的なグループ経営に向けて子会社でのAI活用も支援する。また、グループ間の顧客紹介についても従来以上に積極的に進める方針である。
新たにSynergixを子会社化したことで海外事業展開に向けた足掛かりも得た。まずはシンガポールに進出している日系企業向けで販売実績を作り、「Synergix ERP」のブランド力を強化して、ASEAN各国への進出を目指す。将来的にはグローバル開発体制の構築も視野に入れている。
f) 「戦略実現を加速する人材力・経営基盤強化」
5期連続でのベースアップやITコーディネータの育成など、積極的な人材投資により経営基盤の強化を推進している。また、女性管理職比率や男性育児休業取得率、エンゲージメントスコアなど定量目標を定め、実現に取り組んでいる。さらには、生成AIの急速な普及を背景に、業務プロセスに関してAI活用を前提とした再設計を行い、部門・職種を問わず全社ベースでの生産性向上を図っている。開発体制についても2026年7月に再編し、AIを活用して開発の生産性を2〜3倍に段階的に向上し、開発スピードの向上やコスト低減に取り組む方針である。
(3) 財務戦略、キャッシュ・アロケーション
キャッシュ・アロケーションの考え方として、同社は5期累計で創出するキャッシュ400億円超(当期純利益280億円超+減価償却費120億円超+その他(政策保有株式の売却、有利子負債の活用、資産効率の最大化))を、事業投資(新製品開発・機能改良に100億円超、M&A及び事業投資に100億円程度、その他(人材投資、BPR投資ほか))と株主還元(配当金総額100億円超、資本政策の一環としての自己株式取得)にそれぞれ適切な配分で充当する方針である。配当金は年間20億円超となる計算で、2025年3月期が約16億円、2026年3月期が約18億円を実施し、2027年3月期は約20億円を見込んでいる。2028年3月期以降も増配を継続すれば目標の100億円超を達成する計算となる。
資本効率の向上としては2029年3月期のROE目標として18%超の達成を目指す(2026年3月期17.3%)。主にERP事業の成長による収益性向上と、機動的な自己株式取得による資本効率の改善を通じて実現する。株主資本は2025年3月期末の289億円から400億円超に拡大する見通しである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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