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FCE Research Memo(1):業績好調に加え新たな取り組みで成長に弾み

2024年09月24日 12:01 銘柄/投資戦略

*12:01JST FCE Research Memo(1):業績好調に加え新たな取り組みで成長に弾み ■要約

1. 人的資本を最大化する「RPA Robo-Pat DX」や「Smart Boarding」を提供
FCE<9564>は、DX(Digital Transformation:デジタル化による社会や生活の変革)推進事業で、純国産RPA(Robotic Process Automation:パソコンの事務作業を自動化するソフトウェアロボット技術)ソフトウェア「RPA Robo-Pat DX」を販売、教育研修事業では、自社製の転職者「即戦力化」プラットフォーム「Smart Boarding」や、子どもの「自立力」向上を支援する中高生向けビジネス手帳「フォーサイト」(以下、フォーサイト手帳)、世界的ベストセラー『7つの習慣』を基盤としたプログラム・研修などを販売している。手厚いサポートやワンストップサービス、高採算のストック型収益に特徴があり、人口減少に直面する日本企業に対し、「『人』×『Tech』で、人的資本の最大化に貢献する」ことをミッションとしている。

2. 最大の強みは、使いこなせるまでサポートするきめ細かな「伴走型営業」
同社の強みは、「RPA Robo-Pat DX」で業務に精通した人自身が使いこなせる「パーソナルRPA」、「Smart Boarding」が転職者一人ひとりの成長速度の違いに着目した「即戦力化プラットフォーム」であるという設計思想にある。さらに、ともに無料トライアルを入口に、きめ細かな「伴走型営業」によって使いこなせるまでワンストップでサポートしていることが何よりの強みである。また、営業人員の強化が進んできたこと、純粋持株会社制度の解消により容易になった事業間シナジーも強みと言える。このため、同社の製品の解約率は1%台と低く、顧客の人気も業界の評価も高い。国内最大級のIT製品・SaaSのレビューサイトであるITreviewの「RPAツール カテゴリーレポート2024 Summer」で8期連続顧客満足度No.1となったほか、様々な賞を獲得している。

3. 中期経営計画の進捗が速く、売上高は2024年9月期に1年前倒しで達成見込み
同社は3ヶ年の中期経営計画(2023年9月期~2025年9月期)を策定し、2025年9月期に売上高4,915百万円、経常利益885百万円を目指している。「Robo-Pat DX」「Smart Boarding」フォーサイト手帳のアプリ版「フォーサイトアプリ」を戦略商品とし、クロスセルやパートナー制度の拡大、様々な連携によって成長を図っている。業績が好調のため計画の進捗が速く、売上高は2024年9月期に1年前倒しで達成を見込み、経常利益も達成が射程圏に入った。なお、実績のなかった「フォーサイトアプリ」に加え、中期経営計画発表後に実行した(株)日本コスモトピアの子会社化や新事業「FCEプロンプトゲート」の本格展開、リンクアンドモチベーション<2170>との資本業務提携の収益貢献は織り込んでおらず、これらは成長に弾みをつける新たな取り組みとなりそうだ。

4. 新たな取り組みも奏功し成長トレンドが上方乖離する可能性も
2024年9月期第3四半期の業績は、売上高3,680百万円(前年同期比17.0%増)、営業利益728百万円(同25.3%増)と高い伸びとなった。主力製品である「RPA Robo-Pat DX」と「Smart Boarding」がともに好調に推移し、導入企業数、ARPU(ユーザー当たりの平均収益)ともに拡大、売上高は2ケタ増となった。利益面では、業績賞与など人件費を中心にコストが増加したが、高収益のストック型ビジネスであるため売上拡大に伴って採算が改善、営業利益は売上高を上回る伸びとなった。このため、2024年9月期の業績予想を上方修正したが、成長に弾みをつける新たな取り組みが始まったことから、中長期的に成長トレンドが上方に乖離する可能性もある。次期中期経営計画に期待したい。

■Key Points
・DX推進事業・教育研修事業ともに手厚いサポートとワンストップサービスが好評
・「Robo-Pat DX」と「Smart Boarding」が好調で2024年9月期業績予想を上方修正
・業績好調に加え新たな取り組みも奏功し成長に弾み。中長期成長トレンドは上方乖離も

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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