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ギグワークス Research Memo(6):2023年10月期は減収も利益回復傾向

2024年07月17日 16:06 銘柄/投資戦略

*16:06JST ギグワークス Research Memo(6):2023年10月期は減収も利益回復傾向 ■業績動向

1. 2024年10月期第2四半期の業績概要
ギグワークス<2375>の2024年10月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比3.8%減の13,041百万円、営業利益が同564.7%増の184百万円、経常利益が同449.7%増の180百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同67.6%増の65百万円となった。期初の計画通り、減収増益となった。

主力のオンデマンドエコノミー事業では、ユニークワーカー3,404名(前期は4,533名)が日本全国で稼働した。IT機器のキッティング業務や設定設置業務などが低調に推移したものの、調査業務やEV充電器工事、IT機器保守業務などが稼働した。また、自社運営するコンタクトセンターは、東京都・大阪府・福岡県を中心に7拠点体制で運営しており、政府が推進するテレワークを併用した働き方の定着、企業のDXによる業務効率向上への動き、インボイス制度への対応などを背景に、ヘルプデスクやサービスデスク関連のニーズは引き続き高い水準を維持し、テクニカルサポート・通販関連の受注は拡大した。またWeb3領域のSnap to Earnアプリ写真を撮って稼ぐ「SNPIT」の売上が立ちはじめ、利益貢献も大きかった。

デジタルマーケティング事業は、日本直販・悠遊生活ブランドでの総合通販を主体としたサービスの提供を行っており、45年以上続く実績を基盤に創業来1,485万人を超える顧客に利用されている。LTV(ライフタイムバリュー)向上など顧客から継続的にご愛顧頂けるサービスづくりを経営課題としており、強みのフィールドサービス力とコンタクトセンターのコミュニケーション力を活用した「駆けつけサービス」や「デリバリーサービス」などを商品化し販売を伸ばしている。総合プロデューサ ーの秋元康氏の知見を生かし、会員限定のプレミアム商品の開発や新ラジオ番組の放送など多方面のプロモーションも強化している。また、収益強化のため、カタログ停止・テレビCMの内容を徹底的に見直し、仕入れの共通化、人員体制の見直しなどの収益構造の抜本的な改善策を進めた。結果として減収とはなったものの損失幅は縮小している。

システムソリューション事業は売上高及びセグメント利益で前期並みの好業績となった。ITエンジニアによるプロフェッショナルサービスは、IT需要やIT人材の不足を背景に需要が堅調に推移するなか、ギグワーカーを含むビジネスパートナーとの連携を強化し、需要に対応した。エンジニア人件費高騰による取引単価値上げ交渉が引き続き好業績を支えた。また、エンジニア不足の問題に対応するため、中小企業向けコンサルティングサービスの充実と自社コンサルタントの育成、既存顧客へのサービスラインナップを拡充し、受注規模の拡大を目指している。自社開発商品のコールセンター向けCRMシステム「デコールCC.CRM3」の販売は、AIを活用したツール開発や 機能追加による製品ラインナップの強化などにより、受注が増加した。

シェアリングエコノミー事業はシェアオフィス利用会員数が17,112名と堅調に伸びた。運営するシェアオフィス(87拠点)に加え、利用提携先の施設を含めると700拠点以上となるオフィスネットワークは、日本最大級である。不採算サービスの廃止や当期にシェアオフィス直営店の出店を控え、既存店の稼働率向上を優先したことなどにより、大幅な収益改善となり黒字転換した。また、ギグワーカーのスタイリストが活躍するシェアサロンブランド「nex」は、南青山で4店舗を展開しており、業績は好調に推移する。

営業利益は前年同期比157百万円増の184百万円となり、利益の底打ちを確認した。シェアリングエコノミー事業を筆頭に、Web3サービスが利益貢献し始めたオンデマンドエコノミー事業、収益構造改革が進むデジタルマーケティング事業の収益改善が見られた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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