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エスプール Research Memo(1):2024年11月期は成長に向けた準備期間と位置付け事業基盤の強化を図る

2024年02月13日 15:21 銘柄/投資戦略

*15:21JST エスプール Research Memo(1):2024年11月期は成長に向けた準備期間と位置付け事業基盤の強化を図る ■要約

エスプール<2471>は、障がい者雇用支援サービス等のビジネスソリューション事業と、コールセンター向け派遣を中心とした人材ソリューション事業を展開している。障がい者雇用支援サービスでは、企業に対して貸し農園設備の販売及び運営管理と障がい者の就労支援サービスを提供している。2010年に事業を開始して以降、首都圏及び愛知県、大阪府で46農園を開設し、2023年11月末時点で3,700名を超える障がい者雇用を創出している。

1. 2023年11月期の業績概要
2023年11月期の連結業績は売上高で前期比3.3%減の25,784百万円、営業利益で同15.4%減の2,616百万円と減収減益に転じ、会社計画(売上高28,288百万円、営業利益3,620百万円)に対しても下回る結果となった。人材ソリューション事業が、新型コロナウイルス関連業務を担っていたコールセンター業務縮小により2ケタ減収減益となったことが主因だ。一方、ビジネスソリューション事業は障がい者雇用支援サービスや環境経営支援サービス等がけん引して増収増益を確保した。なお、障がい者雇用支援サービスについては2023年1月に一部のメディアで批判報道があり、一時的に営業活動に支障が出たものの、通期売上高は同19.8%増の6,904百万円とほぼ会社計画どおりに着地した。

2. 2024年11月期の業績見通し
2024年11月期の連結業績は売上高で前期比4.9%増の27,060百万円、営業利益で同5.1%増の2,750百万円を見込む。上期については人材ソリューション事業や広域行政BPOサービスの低迷により、売上高で前年同期比4.9%減の12,487百万円、営業利益で同63.7%減の542百万円と減収減益となるものの、下期は両事業ともに上向く見通しとなっている。障がい者雇用支援サービスは、2024年4月から障がい者の法定雇用率が現行の2.3%から2.5%に引き上げられることもあり、売上高で同15.9%増の8,000百万円と2ケタ成長が続く見通し。環境経営支援サービスも、環境経営に取り組む企業が増えるなかで各種コンサルティングサービスの引き合いが好調なほか、新たに自治体向けのコンサルティングサービスを開始しており、売上高で同50.6%増の1,430百万円と高成長を見込んでいる。

3. 今後の成長戦略
同社は人材ソリューション事業の成長鈍化を踏まえて現行の中期経営計画を取り下げ、2025年11月期からスタートする新たな中期経営計画を策定する方針を明らかにした。2024年11月期は次の10年の成長を見据えた準備期間と位置付けており、重点事業領域として「障がい者雇用支援」「サステナビリティ支援」「地方創生支援」の3分野を設定し、成長を実現するために必要な事業基盤を構築することにしている。事業戦略としては、各領域において既存顧客マーケットを最大限活用すべく、新規顧客開拓による既存サービスのオーガニック成長に加えて、新規サービスの開発やM&A等によって事業領域を拡大することで成長を加速する戦略だ。なお、株主還元については連結配当性向30%以上(減益の場合でも単年度での配当性向60%を超えるまでは減配しない)を維持する方針で、2024年11月期の1株当たり配当金は前期比横ばいの10.0円(配当性向43.2%)を予定している。

■Key Points
・2023年11月期業績は減収減益となるも主力の障がい者雇用支援サービスは成長続く
・2024年11月期は成長に向けた準備期間と位置付け、下期からの収益回復を目指す
・障がい者雇用支援、サステナビリティ支援、地方創生支援の3分野を重点事業領域としてさらなる成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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