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ティア Research Memo(1):M&A効果で葬祭事業が一段と拡大

2024年06月12日 14:01 銘柄/投資戦略

*14:01JST ティア Research Memo(1):M&A効果で葬祭事業が一段と拡大 ■要約

ティア<2485>は、葬儀会館「ティア」を中部、関西、首都圏で直営及びFC展開している。「葬儀価格の完全開示」「適正な葬儀費用」を業界に先駆けて提唱し、「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」をスローガンに、「徹底した人財教育によるサービスの向上」を実践することで成長を続けてきた。2023年11月に葬儀運営会社2社((株)八光殿(大阪府)、(株)東海典礼(愛知県))をグループ化し、事業規模を一段と拡大した。2024年3月末のグループ店舗数は201店舗(FC67店舗含む)で、主戦場とする名古屋市内の斎場シェアでは28.4%とトップシェアに位置する。

1. 2024年9月期第2四半期累計の業績概要
2024年9月期第2四半期累計(2023年10月~2024年3月)の連結業績は、売上高で前年同期比24.9%増の9,142百万円、経常利益で同1.6%減の799百万円となった。売上高は直営店の葬儀件数増加や葬儀単価の上昇による増収に加えて、第2四半期から八光殿、東海典礼の売上高が1,144百万円加わったことにより2ケタ増収となった。一方、経常利益は既存事業の伸長と2社のグループ化による利益増があったものの、のれん償却費114百万円やM&Aにかかる支払手数料及び資金調達に伴う費用の計上により若干の減益となった。ただ、本来の収益力を示すEBITDA(償却前営業利益)は同31.4増の1,466百万円と2ケタ増益となった。新規出店は「ティア」の直営5店、FC3店の合計8店となり、八光殿17店舗、東海典礼23店舗も合わせて、グループ店舗数は前年同期末比55店舗増の201店舗となった。

2. 2024年9月期の業績見通し
2024年9月期の連結業績は、売上高で前期比34.6%増の18,940百万円、経常利益で同4.2%増の1,180百万円を見込んでいる。ティア直営店の売上高が葬儀件数の増加や葬儀単価の上昇で拡大するほか、周辺サービスとなるトータル・ライフ・デザイン(以下、TLD)事業※の伸長やグループ会社2社の売上貢献(3,409百万円)が増収要因となる。経常利益はM&Aに伴うのれん償却費344百万円の計上や支払手数料及び資金調達費用等の一時費用337百万円を計上するものの、既存事業の増益並びにグループ2社の利益貢献(416百万円)により増益を確保する見通しだ。EBITDAでは同46.0%増の2,570百万円となる。なお、下期は直営店で4店舗、FC店で6店舗、八光殿及び東海典礼で各1店舗の出店を予定しているほか、八光殿で5店舗、東海典礼で4店舗を「ティア」ブランドにリブランディングする。

※「ティアの会」会員及び提携団体向けに葬儀以外の周辺サービスを展開すべく、生活の困り事を解決する生活関連サービスや、葬儀の事前準備サービスとなる樹木想(樹木葬及び共同墓地の区画販売)事業、葬儀の際に必要となる宗教者紹介サービス、エンバーミングのほか、葬儀後サービスとして相続・不動産支援サービスなどに取り組んでいる。


3. 今後の成長戦略
2024年9月期の重点施策として、1) 多様化する葬儀ニーズに対応したマルチブランドの推進、2) TLD事業の創出、3) エンゲージメントの向上、4) シナジー効果の創出、の4点に取り組んでいる。1)については会員以外の低価格ニーズを取り込むべく2023年4月より中部地区で開始した「ティアシンプル」の受注件数が順調に伸びており、当該エリアのシェア拡大に寄与している。また、4)のシナジー効果については今後のPMI推進により創出していくことになる。今回子会社化した2社が店舗展開しているエリアは同社がドミナント戦略を推進するなかでも手薄だったエリアであり、経営リソースを共有化することによるシナジー効果(商品や物流コストの低減等)は大きいと弊社では見ている。現在、策定中の中期経営計画はまとまり次第発表する予定で、その内容が注目される。2025年9月期はグループ2社の業績が通年で寄与するほか、2024年9月期に発生したM&A関連の一時費用337百万円がなくなることから、経常利益の増益率は2ケタ台に乗せるものと予想される。中長期的にはM&A戦略も含めた出店拡大による葬儀事業の成長に加え、周辺サービスとなるTLD事業の育成による持続的な成長を目指す。

■Key Points
・2024年9月期第2四半期累計業績はM&Aに伴う一時費用計上により経常減益となるもEBITDAは2ケタ増益に
・2024年9月期はM&A効果で34.6%増収、EBITDAで46.0%増益となる見通し
・M&A後のPMIを推進し、早期のシナジー創出を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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