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ティア Research Memo(7):葬祭事業はM&A効果で過去最高を大幅更新

2024年06月12日 14:07 銘柄/投資戦略

*14:07JST ティア Research Memo(7):葬祭事業はM&A効果で過去最高を大幅更新 ■ティア<2485>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) 葬祭事業
葬祭事業の売上高は前年同期比22.9%増の8,697百万円、営業利益は同37.9%増の1,895百万円と3期連続の増収増益となり、過去最高を大きく更新した。前述の通り「ティア」直営店が葬儀件数の増加や葬儀単価の上昇により順調に拡大したことに加えて、第2四半期に八光殿と東海典礼の業績(売上高1,144百万円、営業利益149百万円)が上乗せされたことが主因だ。

「ティア」直営店の葬儀件数は前年同期比5.2%増の8,065件、葬儀単価は同2.0%上昇し、葬儀売上高は約7%の増収となった。地域別葬儀件数の前年同期比伸び率を見ると、名古屋市内が10%増、愛知県(名古屋市除く)が1.6%増、大阪府が27.0%増、首都圏が14.3%減となった。名古屋市内については「ティアシンプル」の受注増が貢献し、関西圏については専任マネージャーを配置するなど営業体制を強化したことで既存店が伸長したことに加えて、2年前に出店した店舗の受注件数が増え始めたことが要因だ。一方、首都圏の減少は他社ポータルサイト経由の低価格プランの案件が大きく減少したことが主因となっている。また、東京都内で展開しているサロン形式の店舗についても伸び悩む状況が続いており、同社では2025年9月期に体制を大きく見直し再強化を図るべく検討を進めている。なお、2024年3月上旬に「ティア越谷」にて遺体の取り違えミスが発生したが、その後の葬儀件数にはほとんど影響は出ていないものと見られる。

葬儀単価の上昇率が小幅にとどまったのは、「ティアシンプル」の葬儀件数が700件超と好調に推移したことが主因だが、傾向としては2極化が進んでいるようで、50万円以下のプランと100万円を超えるプランの構成比がそれぞれ上昇した。「ティア」直営店の葬儀単価伸び率の内訳は、祭壇が1.5%増、葬儀付帯品が1.3%増となったものの、供花・供物が0.8%減となった。なお、「ティア」の葬儀単価が83.9万円だったのに対して、八光殿は98.8万円、東海典礼は94.0万円とやや高い水準となっている。これは社葬など大規模葬の比率がやや高いことが一因と見られる。

TLD事業の売上高は410百万円となったが、このうち生活関連サービスの売上高は前年同期比6倍増の38百万円となった。現状はグループ店舗の修繕、営繕が大半を占めるが、将来的には会員向けの生活関連サービスを伸ばしていく考えだ。また、樹木葬事業については引き合いが好調で94百万円の売上を計上した。そのほか、宗教者紹介サービスが件数ベースで前年同期比35.1%増、エンバーミング・特殊処置(防臭等)件数も社内キャンペーンを通年開催し認知度が広まったこともあり、件数べースで同58.6%増の1,810件と大きく伸長した。なお、葬儀後の相続に関連した不動産事業や八光殿で展開するリユース事業はその他事業で計上している。

(2) FC事業
FC事業の売上高は前年同期比21.9%増の293百万円、営業利益は同39.6%増の48百万円となった。FC店舗が前年同期から8店舗増加の67店舗に拡大したことにより、ロイヤリティ売上や物品販売が増加し、売上高は3期連続で増収となり過去最高を連続更新した。また、営業利益も増収効果により3期連続の増益となった。

(3) その他
その他の事業は、不動産事業とリユース事業等で構成され、売上高は151百万円、営業利益は1百万円となった。このうち、不動産事業については従来は遺族からの要望があれば不動産事業者に送客する紹介サービスをするにとどまっていたが、宅地建物取引業の事業認可を受け2024年2月から直接仕入れや販売ができる不動産事業を開始した。遺産相続において不動産の売却を検討する遺族は多く、こうしたニーズに対応していく。コンサルティングも含めた相続・不動産関連事業の売上高は前年同期比39.3%増の62百万円となり、不動産売却実績も出始めている。同事業は現状4名程度で対応しているが、需要が今後拡大すれば体制を強化していくことになる。

一方、八光殿が展開しているリユース事業では、中古品の買取専門店「リサイクルマート」を2店舗運営しているほか、遺産整理サービスを手掛けている。2024年9月期第2四半期(2024年1月~3月)の「リサイクルマート」の買取実績は101百万円で順調に伸びているようで、3店舗目も出店する予定だ。また、遺産整理サービスの規模については「リサイクルマート」の1割程度と見られる。同社では今後リユース事業についてグループでの展開も検討している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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