ティア Research Memo(8):M&Aの実施により財務体質は一時的に悪化したもののシナジー効果は大きい
*14:08JST ティア Research Memo(8):M&Aの実施により財務体質は一時的に悪化したもののシナジー効果は大きい
■ティア<2485>の業績動向
3. 財務状況と経営指標
2024年9月期第2四半期末の財務状況を見ると、M&Aを実施したことで資産合計は前期末比11,347百万円増加の26,724百万円と大きく増加した。主な増加要因を見ると、流動資産では現金及び預金が1,779百万円増加し、固定資産では有形固定資産が2,121百万円、のれんが6,775百万円それぞれ増加した。
一方、負債合計は前期末比11,051百万円増加の18,547百万円となった。有利子負債が9,469百万円増加したことが主因だ。M&A資金や会館建設資金として調達した借入金の借り換えとして、シンジケートローン契約により9,000百万円(返済期限は2038年3月末)を調達した。そのほか、契約負債が372百万円、未払法人税等が219百万円、資産除去債務が423百万円増加した。純資産合計は前期末比296百万円増加の8,176百万円となった。主に親会社株主に帰属する四半期純利益516百万円の計上と剰余金の配当224百万円による。
経営指標を見ると、自己資本比率が前期末比20.6ポイント低下の30.6%、有利子負債比率が同114.7ポイント上昇の146.3%となり、ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)も7,239百万円のマイナスに転じるなど、M&Aを実施したことにより財務体質は悪化した。ただ、今回のM&Aは両社とも同社が展開する営業エリアのなかでも手薄だった地域に多く店舗展開しており、グループ化によって得られるシナジー効果も大きい。有利子負債が大きく膨らんだものの、中長期的な成長戦略を実行するうえでは、最良の相手先とタイミングであったと弊社では評価している。
今後の財務戦略に関しては、期間収益で有利子負債の削減を進めていくことになる。同社のビジネスモデルは会員基盤をベースとしているため、売上高も比較的読みやすいため営業キャッシュ・フローの範囲内で設備投資を行い、余った資金を配当金支出と有利子負債返済に充当していくと見られる。当面はグループ会社のPMIによるシナジー効果の早期創出を優先課題とし、財務体質の改善を進めていくことになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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