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EG Research Memo(4):BPO領域でのAI高度活用が進展。SMBCグループと合弁会社設立

2025年06月23日 10:34 銘柄/投資戦略

*10:34JST EG Research Memo(4):BPO領域でのAI高度活用が進展。SMBCグループと合弁会社設立 ■トピックス

1. BPO領域でのAI高度活用
イー・ガーディアン<6050>は2010年代から「AIと人」の融合を追求し、高効率かつ高収益なサービスモデルを確立してきた。2025年9月期の上期には、さらに高度なシステムの導入を進めている。チェンジHDグループのガバナンステクノロジーズと連携し、メールテンプレート管理ツール「hinagata」を改修した。「hinagata」は、テンプレートの検索やコピー、問い合わせ内容に合わせた修正、各種メーラーへの転記など、顧客へのメール送信前の様々な工程を一元化できる。今回の改修では、生成AIの学習機能を活用した「AI検索機能」「自動タグ付与機能」を新たに実装し、生産性を30%向上させることを目指す。なお、ガバナンステクノロジーズは、自治体のDX推進やAI技術を活用した業務改革で実績を持つ。

また、同社では2024年12月、生成AIを活用した翻訳システム「EG Trans Works」を開発し、ゲームサポート領域での多言語サポート業務及びローカライズ・カルチャライズ業務への導入を開始した。

2. SMBCグループと合弁会社設立
同社、三井住友フィナンシャルグループ、三井住友海上火災保険、サイリーグホールディングスの4社は共同で、2025年2月に企業のサイバーセキュリティ対策を支援するSMBCサイバーフロントを設立し、同年4月に本格的な営業活動を開始した。SMBCサイバーフロントは、国内外におけるサイバー攻撃の被害が増加するなか、主に日本国内の中堅・中小企業を対象に、中長期的なコンサルティングサービス、ソリューション提案、経営層及び従業員向けのセキュリティ教育・研修、大企業と連携したサプライチェーン対策支援などを行う。同社は、サイバーセキュリティサービスやBPOの実働部隊としての役割を担う。同社の出資比率は2%、サイリーグホールディングス(同社代表取締役の高谷康久(たかたにやすひさ)氏が代表取締役)が18%である。

3. タイミーのスポットワーカーを試験運用
2025年9月期上期の売上計画未達の一因として、一部受注案件で必要人員数が不足し、案件開始の遅延や対応件数の減少が発生したことが挙げられる。これに対し、同社は人材確保対策として2025年4月にタイミー<215A>と連携し、スポットワーカーを活用したBPOサービスの提供に向けた試験運用を開始した。このサービスは、同社が長年培ってきたBPO業務のノウハウと品質管理体制に、スポットワーカーの機動力を組み合わせたものである。業務設計からマニュアル作成、研修、品質管理、成果報告までを一貫して担うことで、依頼元企業の負担を軽減しつつ、スポットワーカーが活躍する機会を提供する計画だ。タイミーでマッチングした働き手によるアウトバウンドコールサービスの試験運用を進めている。人材確保の新たな取り組みとして成果が注目される。



■株主還元策

配当性向は30%目安。2025年9月期は前期比4.0円増配の35.0円配を予想

同社は、持続的な成長と企業価値向上のための投資のほか、様々なリスクに備えるための財務健全性とのバランス、経営成績の見通しなどを考慮したうえで、業績に応じた利益配分を行う方針である。連結配当性向は30%程度を目安とする。2024年9月期実績は配当金31.0円(同5.0円増配)、配当性向33.7%である。2025年9月期は、利益復調予想を背景として配当金35.0円(同4.0円増配)、配当性向33.2%を予想する。

また、株主優待制度を設けている。毎年9月末時点の株主が対象となり、100株以上を1年未満保有する株主にはQUOカード5,000円分を、100株以上を1年以上保有する株主にはQUOカード8,000円分を贈呈する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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