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アセンテック Research Memo(1):同社の事業ステージが持続的成長局面へと大きく転換

2025年05月13日 15:31 銘柄/投資戦略

*15:31JST アセンテック Research Memo(1):同社の事業ステージが持続的成長局面へと大きく転換 ■要約

1. 新しいワークスタイル実現に向け仮想デスクトップ及びセキュリティ製品を開発・提供
アセンテック<3565>は、新しいワークスタイル実現に向け仮想デスクトップ※1及びセキュリティ製品を開発・提供している。仮想デスクトップ、クラウドインフラ、クラウドサービスという3つの事業領域を持ち、仮想デスクトップ事業領域では、米大手ソフトウェアカンパニーCloud Software Group,Incの仮想デスクトップソリューションであるCitrix、シンクライアント端末※2、自社製品の「Resalio Lynx」、プロフェッショナルサービスを提供している。クラウドインフラでは、自社製品のリモートPCアレイ、各社のサーバーやストレージ製品などを取り扱い、保守などのサービスを提供している。クラウドサービスでは、Citrix Cloudを中心に提供している。

※1 仮想デスクトップ:デスクトップ環境をサーバー側に集約し、ネットワークを介してデスクトップ画面のイメージを配信して、シンクライアントやパソコン・タブレットなどにより、ユーザーが利用できるソリューション。
※2 シンクライアント端末:仮想デスクトップ環境での利用に特化した端末。

2. 強みは間接販売モデル、仮想デスクトップに特化した強力な仕入れルートとオリジナル商品、成長戦略の実行
同社の強みは、国内の大手システムインテグレーター(SIer)や「ローカルキング」と呼ばれる各地域のトップ販売店など計200社以上の販売パートナーが同社製品やソリューションを販売する「間接販売モデル」であること、仮想デスクトップに特化した強力な仕入れルートとオリジナル商品を持っていること、仮想デスクトップでは国内最大規模のシステムエンジニアを擁していること、これに加えて成長戦略が確実に実行できていることにあると考えられる。仮想デスクトップ事業領域が好調で、案件数と案件規模の両方が増大しており、2025年1月期上期に続き、同下期においても金融機関などの複数の大型案件を受注し好調を維持している。また仮想デスクトップ事業領域の2025年1月期通期の売上が116.7億円(前期比173.4%増)となり大幅増となっている。重要事業戦略に、1) ストックビジネス拡大により持続的成長企業の実現、2) M&A、戦略的事業提携による事業拡大の実現を掲げ、中期経営計画の最終年度2027年1月期を売上175億円、経常利益19.1億円に上方修正をしている。

同社は商談成立時に、海外からの外貨建て仕入れ商品については発注と同時に為替予約をしている。実際に商品が納められた時点で為替レートが円安に振れれば、仕入れ原価が高くなり営業利益が減少する。しかし、決済を予約した外貨で行うことにより為替差益が発生し、発注時に想定した金額で仕入れができ予定どおりの利益を確保している。為替差益は営業外収支に計上されるので、営業利益より経常利益が同社の営業成績をより表していると言える。

3. 2025年1月期は業績好調で、同社の事業ステージが持続的成長局面へと大きく転換
2025年1月期の業績は、売上高14,586百万円(前期比134.3%増)、営業利益868百万円(同42.9%増)、経常利益1,218百万円(同73.5%増)と大幅な増収増益を達成している。2026年1月期の業績見通しについて、同社は売上高17,000百万円(前期比16.5%増)、営業利益1,730百万円(同99.3%増)、経常利益1,730百万円(同42.0%増)と引き続き大幅な増益を予想している。また、2026年1月期から同社の100%子会社である(株)CXJが連結業績に含まれることになり、前期比16.5%増の売上を見込んでいる。

Key Points
・200社以上の販売パートナーが同社製品やソリューションを販売する間接販売モデル、強力な仕入れルート、オリジナル商品、国内最大規模のシステムエンジニアに加えて、成長戦略を確実に実行
・2025年1月期は収益構造が大きく転換
・2026年1月期から100%子会社のCXJの売上が連結業績に含まれることとなり、引き続き大幅な増収増益を予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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