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プロパスト Research Memo(7):保守的な前提に基づき、2025年5月期は増収減益を予想(1)

2024年08月02日 14:47 銘柄/投資戦略

*14:47JST プロパスト Research Memo(7):保守的な前提に基づき、2025年5月期は増収減益を予想(1) ■プロパスト<3236>の今後の見通し

1. 2025年5月期の業績見通し
日本経済は、当面は内需がけん引する形で、緩やかな回復が続くことが見込まれる。しかし、円安や資源価格の上昇に伴うエネルギー価格や食料品の価格上昇、世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れが景気の下押し圧力となる可能性がある。同社が属する不動産業界に関しては、地価及び建築費がともに上昇しており、新築マンションの販売価格は一段と上昇する可能性や利益率を押し下げる可能性がある。物価の上昇や海外の金融当局による利上げの動き等から金利上昇に伴う需要低下懸念はあるものの、都心部の駅に近い魅力的な物件は供給が限られることや販売価格の先高感などから、需要は引き続き底堅く推移することが見込まれる。このような経済環境下において、同社ではこれまでと同様に首都圏エリアにおける駅近等の利便性の高いレジデンス物件を中心に仕入を行うが、物件取得に関しては立地や価格に関して売却想定価格を意識しつつ、より厳選したうえでの取得が必要であると考えている。

以上から、2025年5月期の業績予想については、売上高26,802百万円(前期比15.0%増)、営業利益1,991百万円(同34.9%減)、経常利益1,557百万円(同40.0%減)、当期純利益1,090百万円(同40.1%減)を計画している。売上高は、都心部の中でも需要が見込める物件を厳選して購入するとともに、賃貸開発事業の完成予定物件ならびに現在保有しているバリューアップ物件の売却活動を積極的に推進することで、増収を見込む。一方、利益に関しては、地価及び建築費の上昇等のコスト増の影響を考慮し、販売価格への転嫁は困難と見て減益を見込んでいる。また、減益予想には、賃貸開発事業に比べて利益率が低いバリューアップ事業のウェイトが拡大する影響も反映されている。ただ、同社では、従来より期初には慎重な業績予想を発表する傾向が強いことから、予想を達成する可能性が高いと弊社では見ている。実際、2024年5月期の業績についても、2023年5月期決算発表時には慎重な予想を発表していたが、2024年5月期第2四半期決算時に上方修正し、2024年5月期決算では修正計画を大きく上回る利益を達成している。

なお、同社は例年計画を早期に達成するために、収益が上期に偏重する傾向がある。また、同社の売上高は顧客への引渡しをもって計上されるため、早期に上がる収益と時の経過とともに発生する費用とのタイミングのずれが生じることから、四半期ごとの業績を見た場合は、業績に偏重が生じる傾向にあることにも留意が必要だ。

事業別には、分譲開発事業については、現状、新規物件の取得ができていないため、2025年5月期には売上高の計上予定はなく、引き続き物件の取得に努める。

賃貸開発事業では、これまでは、原価上昇によるコスト高をタイトな需給環境や魅力ある物件の立地等を背景に売却価格で相当程度吸収してきた。ただ、同社では、不動産価格は上昇を続けているものの、それ以上に資材高や人材不足による建築費の上昇が続いており、販売価格への転嫁は困難と見ている。2025年5月期には前期と同様に19棟の販売を予定するが、費用負担の増加から営業利益率は前期の20.5%から10~15%への低下を見込んでいる。過去3期の20%を超える営業利益率は期待以上の成果であったとして、当期については慎重に見ている。

バリューアップ事業では、分譲開発事業の売上減や賃貸開発事業の利益率低下を補完し、売上高や利益を確保する計画だ。2024年5月期には仕入が順調に進んだことから、2025年5月期には販売棟数を前期の5棟から18棟に増加させることを予定している。ただ、同社では、営業利益率は前期の15.1%から8~10%への低下を見込み、当期については慎重に見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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