サンマルクHD Research Memo(6):2024年3月期は修正予想を上回る大幅増収増益
*12:46JST サンマルクHD Research Memo(6):2024年3月期は修正予想を上回る大幅増収増益
■業績動向
1. 2024年3月期連結業績の概要
サンマルクホールディングス<3395>の2024年3月期の連結業績は売上高が前期比11.6%増の64,556百万円、営業利益が同993.7%増の2,620百万円、経常利益が同72.4%増の2,753百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同132.8%増の969百万円となった。2023年11月13日付の修正予想(売上高63,000百万円、営業利益2,000百万円、経常利益2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円)を上回る大幅増収増益で着地した。
新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限がなくなり、経済活動再開や人流回復によってレストラン事業、喫茶事業とも売上高の回復基調が鮮明になった。既存店売上高は前期比115.5%、期末店舗数は同51店舗減少して742店舗(実験業態8店舗を含む)となった。なお不採算店整理によって店舗数が減少しているため連結売上高はコロナ禍以前の水準には回復していないが、店舗ベースの売上高はコロナ禍以前の水準を約3%上回った。各業態における既存店売上回復に向けた各種施策も奏功した。利益面では、原材料価格の高騰や人的資本投資による人件費等の増加などがマイナス要因となったが、増収効果や適切なコストコントロール効果などにより既存店の収益性が向上した。加えて、不採算店整理に伴う固定費負担軽減効果も寄与した。全社の売上総利益は同10.2%増加したが、売上総利益率は同1.0ポイント低下して75.7%となった。販管費は同4.9%増加したが、販管費比率は同4.6ポイント低下して71.7%となった。この結果、全社の営業利益率は同3.7ポイント上昇して4.1%となった。営業利益の増減要因分析は、増収による粗利益増加5,159百万円増、原価率アップによる原価の増加630百万円減、増収による変動販管費の増加1,936百万円減、販管費コスト削減効果31百万円増、人件費増加504百万円減、水道光熱費減少240百万円増、その他販管費減少51百万円増となった。営業外収益では前期に計上した感染拡大防止協力金1,081百万円が剥落した。特別損失では不採算店整理に伴う減損損失が641百万円減少(前期は1,429百万円、2024年3月期は788百万円)したほか、関係会社株式評価損133百万円を計上した。
セグメント別に見ると、レストラン事業は売上高が前期比13.9%増の38,022百万円、営業利益が同86.9%増の2,693百万円、期末店舗数が同5店舗減の388店舗となった。不採算店舗の整理に取り組みつつ、主力業態である「生麺専門鎌倉パスタ」「神戸元町ドリア」を出店したほか、TVCMやSNSを活用した販促による認知度向上や集客力向上を図った。「ベーカリーレストラン・サンマルク」については、既存店に人的資本を集中して業績改善に取り組んだ。喫茶事業は売上高が同8.5%増の26,534百万円、営業利益が同495.4%増の1,615百万円、期末店舗数が同49店舗減の346店舗となった。「サンマルクカフェ」では、ベーカリーカフェへの原点回帰の戦略により、パンを中心とした施策及びPR活動に注力した。なお、「倉式珈琲店」については運営子会社の倉式珈琲を2024年4月に吸収合併し、再出発を図るとしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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