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タイミー Research Memo(4):強みは働きぶりの良い人材が集まるプラットフォーム。積極投資で優位性築く(2)

2025年01月22日 14:04 銘柄/投資戦略

*14:04JST タイミー Research Memo(4):強みは働きぶりの良い人材が集まるプラットフォーム。積極投資で優位性築く(2) ■事業概要

5. 強み
タイミー<215A>は、日本におけるスキマバイト市場のパイオニアであり、その先行者としての優位性や圧倒的な業界知名度により、サービス利用率、求人掲載数においてNo.1のポジションを確立している。その背景にある競合優位性として、「人が集まる」「ワーカーの働きぶりが良い」「営業による手厚いサポート」の3つがある。

(1) 人が集まる
ワーカーが求人掲載数の多いタイミーを利用するのは必然である。積極的な広告宣伝投資ができるポジションにあることも、圧倒的な登録ワーカー数の源泉である。一方、雇用主にとって、人材が集まることは最大のメリットなのでタイミーを利用する企業は増える。登録ワーカー数と募集求人数が多いため、相乗効果が生まれ、高い稼働率(86%)を実現している。
(2) ワーカーの働きぶりが良い
リピートワーカー率64%、無断欠勤率約0.1%などワーカーの働きぶりはクライアントから高い評価を得ている。優れた仕組みやネットワーク規模をもつタイミーのマッチング精度が高いことの証拠とも言えよう。
(3) 営業による手厚いサポート
同社では、600名を超えるコンサルティング営業部隊が存在し、日々クライアント企業に対してBPRを含めた手厚いサポートを行っている。こうした人的資源への投資は、ある程度の事業規模に達しない限り維持できない面があり、人材育成に時間もかかることから、同社の大きな競合優位性となっている。

6. 経営資源
経営資源の観点での強みとして、「優秀な人材の経営人材への登用」と「積極的な資金調達と先行投資」が挙げられる。

「優秀な人材の経営人材への登用」に関しては、同社の経営陣には小川嶺代表を筆頭に熱意と能力に優れた人材が集っている。特に、戦略コンサルティングファーム、メガバンク・証券会社、IT系メガベンチャーなど他業界からの登用が多く、同社の革新的なビジネスモデルや急成長の源泉になっていると言えよう。また、「積極的な資金調達と先行投資」については、創業時から一貫してベンチャー企業としての資金調達と積極投資を行ってきた。2019年10月期第4四半期には20億円の資金調達を成功させ、テレビCMを開始している。2021年10月期まで損失を計上したが、時流を見据え積極的な姿勢は変えなかった。プロダクトの利便性においても常に改善を続け、急成長を果たした。

7. 重要なKPI
同社のタイミー事業には、4つ重要なKPI(業績管理指標)があり、定期的にモニタリングされている。いずれの指標もこれまで順調に推移しており、改善ループがしっかり回ってきたことを示している。

(1) 流通総額
クライアントからワーカーに支給される給与+交通費である。同社の売上高はこの流通総額にテイクレートを掛けた金額となるため、この数値の成長が企業の成長に直結する。2024年10月期は前期比で66.6%増と急成長した。
(2) テイクレート
クライアントに請求する手数料率である。基本的には業界・企業規模問わず30%となっているが、競合環境の状況により低下するケースもある。近年はスキマバイト市場への参入企業も増えており、競合環境が激しくなっているものの、テイクレートは29%台で安定して推移している。
(3) アクティブアカウント数(AA数)
月に少なくとも1つの求人を掲載したクライアント事業所数である。通期のアクティブアカウント数は、12ヶ月のアクティブカウントの数の合計を示しており、この数値は通期で1つの求人を掲載したクライアント事業所数よりも大きくなる可能性がある。2024年10月期は前期比で99.1%増と急成長した。同社の営業力のバロメーターとも言える。
(4) 稼働率
マッチング率であり、稼働人数を募集人数で除して算出した値である。2024年10月期は86.1%と過去最高水準に達している。多大な登録ワーカー数と募集求人数と、優れたマッチングの仕組みが必要なため、同社の総合力を示す指標と言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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