後場に注目すべき3つのポイント~売り一巡後は下げ幅を縮小し25日移動平均線を回復
*12:23JST 後場に注目すべき3つのポイント~売り一巡後は下げ幅を縮小し25日移動平均線を回復
12日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は続落、売り一巡後は下げ幅を縮小し25日移動平均線を回復
・ドル・円は小じっかり、円売り優勢
・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>
■日経平均は続落、売り一巡後は下げ幅を縮小し25日移動平均線を回復
日経平均は続落。前日比233.57円安(-0.60%)の38586.92円(出来高概算9億3000万株)で前場の取引を終えている。
11日の米国市場はまちまち。ダウ平均は46.97ドル高(+0.12%)の38769.66ドル、ナスダックは65.84ポイント安(-0.41%)の16019.27、S&P500は5.75ポイント安(-0.11%)の5117.94で取引を終了した。重要インフレ指標の発表を控えた長期金利の上昇を嫌気し、寄り付き後、下落。その後、ソフトランディング期待を受けた買いにダウは持ち直し、終盤にかけプラス圏を回復し相場を支えた。一方、ナスダックは金利高や半導体セクターの利益確定売りが継続し上値が抑制されプラス圏を回復できず、まちまちで終了。
ナスダック下落や半導体最大手エヌビディア株の弱い動きなどを受けて、東京市場は売り優勢で取引を開始した。日経平均は38271.38円まで下げ幅を拡大する場面が見られたものの、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>など半導体株の一角が切り返したことや、日経平均構成ウェートトップのファーストリテ<9983>も切り返したことで、下げ渋る動きが見られた。
日経平均採用銘柄では、三井物産<8031>、丸紅<8002>、伊藤忠<8001>など商社株の下げが目立ったほか、東エレク<8035>、ルネサスエレクトロニクス<6723>が下落。また、三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>など銀行株や、T&Dホールディングス<8795>、SOMPOホールディングス<8630>など損保株も売られた。
一方、アドバンテスト、レーザーテックのほか、スクリーンHD<7735>、SUMCO<3436>も切り返すなど半導体株の一角が底堅い動きを見せたほか、ダイキン<6367>、キッコーマン<2801>、シャープ<6753>がしっかり。また、「ゴジラ-1.0」が米アカデミー視覚効果賞を受賞したことで東宝<9602>が買われた。
セクターでは、卸売業、銀行業、保険業、電気・ガス業、鉱業などが下落した一方、パルプ・紙の1セクターのみ上昇した。
午前に開催された参議院財政金融委員会にて、植田和男日銀総裁が「個人消費は価格上昇幅が大きかった食料品など非耐久財への消費に弱めの動きがうかがわれる」と発言したことで、3月の日本銀行による金融政策決定会合での「金融政策の正常化」に踏み出すといった思惑がやや後退。為替は1ドル147円30銭台と寄付き時点との比較では、60銭ほど円安ドル高に振れている。先週末辺りからやや強まっていた日経平均の下値模索懸念は、いったん25日移動平均線(38506円)に到達したことで達成感も意識されたようだ。後場の日経平均は25日移動平均線水準でのもみ合いとなろう。
■ドル・円は小じっかり、円売り優勢
12日午前の東京市場でドル・円は小じっかり。早朝は146円台でもみ合ったが、その後は円売り優勢となり、正午にかけて147円40銭台に浮上した。日銀による緩和的な金融政策の修正が期待されるなか、植田総裁は一部の経済指標の弱さを指摘している。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は146円62銭から147円43銭、ユーロ・円は160円28銭から161円24銭、ユーロ・ドルは1.0923ドルから1.0937ドル。
■後場のチェック銘柄
・地域新聞社<2164>、阿波製紙<3896>など、6銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテスト<6857>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・1-3月期法人企業景気予測調査・大企業全産業景況判断指数:0.0(10-12月期:4.8)
・日・2月国内企業物価指数:前年比+0.6%(予想:+0.5%、1月:+0.2%)
【要人発言】
・植田日銀総裁
「個人消費は非耐久財消費に弱めの動きがうかがわれる」
「景気は一部統計で弱めの動きも緩やかに回復」
<国内>
特になし
<海外>
・16:00 英・11-1月ILO失業率(予想:3.8%、10-12月:3.8%)
・16:00 独・2月消費者物価指数改定値(前年比予想:+2.5%、速報値:+2.5%)
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