株式会社酉島製作所:2026年3月期中間決算説明文字起こし(1)
*16:00JST 株式会社酉島製作所:2026年3月期中間決算説明文字起こし(1)
■中間決算説明を受けてのFISCOアナリストコメント
酉島製作所<6363>
・同社は1919年創業の老舗ポンプ専業メーカーであり、上下水道、発電所、海水淡水化施設などの社会インフラを支える大型・高圧ポンプに強みを有する。造水量世界トップ20の海水淡水化プラントのほぼすべてにポンプを納入し、海水淡水化プラント向けポンプでグローバルニッチトップ(GNT)企業となっている。
・2026年3月期第2四半期(中間期)決算における受注高は前年同期比95億円減の483億円だが、過去5年で2番目の高水準。売上高は前年同期比9.8%増の412.4億円、営業利益は同16.1%減の5.3億円。官需・民需・海外(主に中東、北米)・子会社とも好調だったが、相対的に利益水準の低いハイテクポンプ比率が高く、外注費の増加を伴う案件が増えた影響は、増収分12.7億円のうち7.2億円。その他、増員や賃上げ分4.8億円も減益要因となる。
・通期予想は売上高で事前予想比変わらず890.0億円(前期比2.9%増)、営業利益で同9.0億円減の58.0億円(同6.4%増)へと修正された。内作比率を上げ、外注費を削減することで製造コストを下げる取り組みを着実に実行しているものの、その結果が損益に寄与するのは翌期以降となる見込み。増収増益は維持されている。
・株価は調整しているが、株価の割安感や中長期の方向性に大きな変化はない。2029年度に向けて「売上高1,000億円規模(CAGR6.5%以上、営業利益率10.0%以上、ROE10.0%以上」が目標となる。
・グローバルな水インフラ需要を背景に、新中計での営業利益CAGRは今期予想比で+14.6%以上。対して、PBRは0.92倍と1倍を割り込み、配当利回りも約3.24%。中計最終年度のPERで15倍の評価となれば、時価総額は現状から7割上方となる900億円程度が見込まれる。
株式会社酉島製作所:2026年3月期中間決算説明文字起こし(2)に続く
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