大統領就任式を前にポジション調整の動き
*08:35JST 大統領就任式を前にポジション調整の動き
17日の日本株市場は、売り先行後はこう着感の強い相場展開になりそうだ。16日の米国市場は、NYダウが68ドル安、ナスダックは172ポイント安だった。予想を下回る決算を発表したユナイテッド・ヘルス・グループの下げが重荷となった。また、小売売上高や週次失業保険申請件数を受け景気減速懸念が高まった。シカゴ日経225先物は大阪比335円安の38335円。円相場は1ドル155円10銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。前日の日経平均株価は買い一巡後は弱い値動きが続いていたが、引け間際に台湾積体電路製造(TSMC)の好決算を受けて東エレク<8035>が急伸した影響から、38500円台を回復して終えていた。米国市場でTSMCは3%を超える上昇となったが、エヌビディアは下落するなど半導体株の反応はまちまちであり、利食いが入りやすい。
日経平均株価は75日線に上値を抑えられる形から200日線を割り込んで終えており、同線が位置する38670円辺りでは強弱感が対立しやすいだろう。また、来週20日はトランプ次期大統領の就任式を控えているうえ、就任式後に関税政策など新政権の動きが気がかりとなるため、積極的な買いは手控えられやすいところである。為替市場では円相場がやや円高に振れて推移しているため、輸出関連などには利食いが入りやすい。
そのほか、中国商務省は米国製の非先端半導体に対し、調査を始めると報じられている。事実上の対抗措置とみられ、米中対立への警戒も根強い。そのため、物色は個別に材料の出ている銘柄など中小型株の一角に短期資金が向かいやすいだろう。ただし、大統領就任式を前にポジションをニュートラルに近づけると考えられ、引けにかけては弱含む可能性がありそうだ。
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