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ネオマーケ Research Memo(2):生活者起点のマーケティング支援会社

2024年06月11日 13:12 銘柄/投資戦略

*13:12JST ネオマーケ Research Memo(2):生活者起点のマーケティング支援会社 ■会社概要及び事業概要

1. 会社概要
ネオマーケティング<4196>は、2000年10月に設立されたマーケティング支援会社である。同社は東証スタンダード市場に上場し、創業以来、橋本光伸(はしもと みつのぶ)氏が代表取締役として同社グループを率いている。連結ベースの従業員数は165名(2024年3月末現在)である。同社グループは「生活者起点のマーケティング支援会社」を事業コンセプトにしており、主語を生活者(=消費者)としているのが大きな特徴である。生活者について深い理解を得るためにリサーチからスタートし、クライアントであるメーカー企業が「生活者との対話」を通じて、生活者に「買ってもらい続ける仕組み」をつくる一連の活動を行っている。特に新商品やアイデアの開発、既存商品の拡販・改善のためのサービス提供を得意としている。調査やプロモーションなどで活用するパネル組織やクラウドソーシングを展開するパイルアップ(株)と(株)Zeroの連結子会社2社を有する。また、「アイリサーチ(i Research)」「ソルパネ(SOLPANEL)」などの独自のサービスを運営している。

2. 競争力の源泉
同社では、競争力の源泉として、「マーケティングを一気通貫で支援」「インバウンドによる案件流入経路の確立」「ナレッジの蓄積」の3つを挙げている。「マーケティングを一気通貫で支援」とは、顧客のマーケティングプロセスにおける段階ごとに課題に応じたコンサルティング(課題解決)を、自社で実施していることを意味する。同社グループは、マーケティング支援サービスを内製化して、ワンストップで提供する数少ない企業である。「インバウンドによる案件流入経路の確立」とは、マーケティング会社としての優位性・経験則を活用して、自社オウンドメディアの運用により顧客獲得を実現していることを指す。独自の調査レポートは、優良な見込み顧客獲得ツールとして重要な役割を果たしている。また、同社のセミナー・ウェビナーへの参加者・登録者も見込み顧客である。「ナレッジの蓄積」とは、プロジェクトの実績はマーケティングナレッジデータベースとして蓄積されていることを言う。同社設立以来の累計プロジェクト4万件以上となるデータベースを活用して、社内の専門家たちがプロジェクトチームを組んで顧客のマーケティング課題を解決し、品質の高いナレッジを蓄積し活用している。

3. 運営サイト・サービス
(1) アイリサーチ
同社グループでは、「生活者起点のマーケティング支援」を実現するためのインフラとして、独自のマーケティングプラットフォーム「アイリサーチ」を運営している。「アイリサーチ」は、生活者パネル※を活用し、回答者が自宅に居ながら自身のPCやタブレット、スマートフォンを使用して、リサーチ業務に協力することで報酬を得られる仕組みである。「アイリサーチ」は、全登録者の性別・年齢・居住地といった属性情報の比率が、インターネット人口における比率に近似することに配慮して生活者パネルを構成することで、属性の偏りを極力排除したパネル構成となるように努めている。「アイリサーチ」は同社が生活者起点のマーケティング支援事業を展開するうえで基礎となるサービスインフラで、デモグラフィック情報(年齢、収入、職業)やジオグラフィック情報(住居、勤務地)を基に、データベースから案件ごとに必要となるマーケティング対象者を抽出できる点が特徴である。例えば、埼玉県在住で年収500万円の男性看護師といった条件で対象者を抽出することが可能だ。現在は外部パネルの利用も可能で、「アイリサーチ」を含めて2,889万人の生活者パネル活用が可能となっている。

※企業が実施する市場調査等のマーケティング活動に協力することに承諾し、登録された一般消費者の回答者ネットワーク。登録者には協力した度合いに応じて企業から謝礼が支払われる。


(2) ソルパネ
子会社のパイルアップが運営する、会員組織のプラットフォーム「ソルパネ」を活用したサービスは、インターネットを通じて不特定多数の人々に業務を委託するアウトソーシングの1種だ。クライアント企業が会員に対して店頭調査、購買体験、イベント体験、各種アンケート、データ入力などの業務を委託できるサービスを提供している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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