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フジ日本 Research Memo(2):伝統的な精糖からフードサイエンスへの転換を加速

2026年06月12日 12:02 銘柄/投資戦略

*12:02JST フジ日本 Research Memo(2):伝統的な精糖からフードサイエンスへの転換を加速 ■会社概要

1. 会社概要
フジ日本<2114>は、精製糖製造・販売会社を前身とするが、2024年10月に現社名へ商号変更し、精糖メーカーからフードサイエンスカンパニーへの転換を内外に宣言した。企業理念として「私たちは、『夢のあるたくましい会社』を目指し、健康な生活づくりに貢献します。」を掲げ、パーパスは「食を科学し世界をパワフルに」である。糖類事業・機能性素材事業・不動産事業を展開している。保有技術の核は、世界で唯一サトウキビを原料に酵素で製造される水溶性食品繊維イヌリン「Fuji FF」である。また不動産事業では安定した収益を生み出すとともに、含み益の大きい不動産を保有している。

製造拠点について、精製糖では自社で過大な設備を持たず、神奈川県横浜市の太平洋製糖(同社33.3%出資持分法適用関連会社)での共同生産体制を活用している。機能性素材や切花活力剤(キープ・フラワー)などの製造は、静岡県静岡市の自社工場を中心に行っている。海外ではタイにおいてはイヌリンを全量製造するほか、タピオカ・でん粉の製造拠点(同社49.0%出資持分法適用関連会社)も擁する。

100%出資連結子会社のユニテックフーズでは、素材販売及び加工製品の製造・販売をはじめ、ODM(Original Design Manufacturing)、商品開発コンサルティング事業を手掛け、フードサイエンスの中核を担う。

双日<2768>は同社の議決権の33.4%(間接保有1.7%含む)を所有する筆頭株主である。同社は主要サプライヤーである双日子会社の双日食料(株)から原料糖を仕入れるとともに砂糖製品やイヌリン製品の販売代理店取引も行っており、ユニテックフーズも双日及び双日食料向けに商品販売を行っている。

2. 沿革
同社は1947年5月に設立されたフジ工業(株)(1950年7月にフジ製糖(株)に商号変更)と1949年7月に設立された日本精糖(株)の2社を前身とする。1951年に、協立食品(株)(現 フジ日本商事(株))を設立した。1954年7月に東京店頭市場へ株式を公開し、フジ製糖と日本精糖はともに1961年10月には東京証券取引所(以下、東証)市場第2部に上場したが、2001年10月に両社が合併し、商号をフジ日本精糖(株)に変更した。その後2008年5月にユニテックフーズ(株)を完全子会社化。海外展開はタイを中心として2010年代から本格化し、2012年6月のFuji Nihon Thai Inulinを皮切りに、続く2013年5月にはFuji Nihon (Thailand)を設立。そして2025年3月にはThai Wah Public Companyとの合弁会社Thai Wah Fuji Nihonを設立した。国内では、2022年4月に東証スタンダード市場へ移行し、2024年10月に現社名に変更、2026年1月に普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施した。

3. 市場環境
国内砂糖市場は、人口減少・少子高齢化・健康志向の高まり・加糖調製品の浸食により長期的な減少傾向にある。足元ではインバウンド需要の増加により土産菓子や外食向けの出荷が堅調に推移し、下支えとなっている。

原料糖の国際価格はニューヨーク(NY)先物相場をベースに決定される。原油価格との相関が強く、原油価格が上昇すると、砂糖相場も連れ高になる傾向が見られる。世界の砂糖供給の約4割から5割を担うブラジルでは、砂糖とエタノールの両方を生産できる工場が主流であるため、原油高の局面ではエタノールへの需要が旺盛となり、サトウキビよりもエタノールを製造する比率が高まり、砂糖の生産・輸出量が減少することが背景にある。国内価格は農林水産省が管轄する「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律(略称:糖価調整法)」に基づき一定の統制がなされる。NY先物相場の90日平均に諸掛などを加算して四半期ごとに算出される「指標価格」をベースに市況価格が決定されているため、急激な価格競争が起こりにくい構造となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉俊輔)


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