児玉化 Research Memo(5):ガラス繊維マットプレス新工法、三次元加飾工法を用いた新製品に期待
*11:45JST 児玉化 Research Memo(5):ガラス繊維マットプレス新工法、三次元加飾工法を用いた新製品に期待
■今後の展望・課題
児玉化学工業<4222>の今後の事業について大きく期待されるのが、ガラス繊維マットプレス新工法による自動車部品での金属からの代替、三次元加飾工法による高度加飾分野への展開だ。
ガラス繊維マットプレス新工法の新製品は、トヨタ自動車の「レクサス LS」の後部座席構造材に金属代替部材として採用されたことで、技術の高さを示すとともに製品に対する信頼度が高まった。ガラス繊維マットプレス新工法は炭素繊維とのハイブリッド化のニーズが期待できることからも、自動車向けはもとより自動車以外の分野からも引き合いが出始めており、収益源としての期待が高い。また、三次元加飾工法による高度加飾分野においても、多くの有力車種に採用されている。
ADRによる再建が終了したことにより、今後は復配を目指すことになるが、同社は将来的に株主還元に積極的に取り組む意向を示している。
同社は2022年6月に2026年3月期を最終年度とする中期経営計画「KCI2025」を策定し、最終年度に連結売上高22,500百万円、連結営業利益2,250百万円の達成を目標に掲げた。
主要施策は、モビリティ事業では、商圏エリアの拡大、新規顧客の開拓、新規部位への参入で、リビングスペース事業では、新規顧客の拡大、新領域製品の拡大、オリジナル製品への参入である。アドバンスド&エッセンシャル事業では、新複合材製品の拡大、医療・介護市場への参入拡大、新環境対応製品の拡大を挙げている。
なお、同計画策定時に想定していた国内住宅設備市場やタイのマーケットなどは事業環境が大きく変化したことから、同計画の軌道修正・再構築を行う予定だという。特に、収益構造改善の切り札となった新規製品が1年~1年半遅れたことは誤算だったが、足元では量産化に成功し、今後同社の屋台骨を支えていくことになりそうだ。更新される中期経営計画の内容とその進捗に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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