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学情 Research Memo(10):キャリア採用サービスの成長を強化しながら、利益成長の実現を図る(2)

2025年03月03日 14:10 銘柄/投資戦略

*14:10JST 学情 Research Memo(10):キャリア採用サービスの成長を強化しながら、利益成長の実現を図る(2) ■学情<2301>の今後の見通し

4. 成長投資
各種成長投資の具体的な内容や方針は、以下のとおりである。

(1) 人的投資
2026年10月期に500人体制を構築する。(2024年10月末の従業員数は372人)売上成長については、人員拡大と併せて、「人的創造性」の向上により、人員拡大ペースを上回る成長を実現する。自社メディア(Re就活・転職博)を活用したキャリア採用を強化し、専門人材にとって魅力的な人事制度など採用競争力を高める制度設計を進める。また、コミュニケーションを最大化するオフィス設計のほか、人員拡大フェーズに適した拠点整備を実施する。この方針のもと、2024年4月には本社を東京都中央区銀座のGINZA SIXへと移転している。

(2) 広告宣伝投資
広告宣伝投資を通じて、求職者・企業双方から「20代の転職ならRe就活」という認知を獲得し、最大化を目指す。その結果、利用求職者・利用企業の拡大により、2026年10月期までに「Re就活」シリーズの会員数を最大化する。中期経営企画では2026年10月期の「Re就活」会員数目標を2023年10月期比40%増の280万人としていたが、既に2025年1月の時点で260万人を突破している状況である。第二新卒黎明期から市場を創ってきた同シリーズのブランド認知は既に高い状況である。今後もマーケティング投資を積極化することによって会員数は右肩上がりで増加するものと予想される。また同シリーズの会員数を増やすことにより、「Re就活エージェント」など関連サービスの利用者数も拡大するといった波及効果も期待できる。

(3) マーケティング投資
営業活動におけるデータ活用をより強化し、顧客の採用成功をより強力に支援していく。これにより、利用企業の拡大と既存顧客の継続率向上を図り、業績の拡大に結び付けていく考えだ。また、マーケティング・営業プロセスの分業・連携の強化によって専門性をさらに深化させ、インバウンドでのビジネス機会創出を最大化する。

(4) システム開発投資
基幹Webメディアのプロダクト開発体制を強化しながら継続的にアップグレードと新規サービスを提供していくことにより、20代求職者・企業から支持される情報メディアとしての立ち位置をより強固にする。タイパや生産性への関心が高まるなか、求職者と企業の出会いを効率化することで、相互理解を深めるなど、より重要なプロセスに時間をさける環境の整備にも注力する。

(5) 新規事業開発投資
採用需要の増加が見込まれる業界・職種に特化したサービスの開発・展開に注力する。具体的には、インキュベーション室を中心に「Re就活」ブランドを生かした新規事業開発をコーディネートするほか、M&Aを含めた最適な新規事業開発方法を探求していく。この方針の下、「Re就活テック」「Re就活30」などが最近では順次市場投入されている。新規事業開発投資が順調に進捗していることがうかがえる。

5. ESG及びSDGsへの取り組み
同社ではCSR活動を長期的視野から総合的に推進するため、近年社会的関心が高まっているESGに配慮した活動を行っている。また2030年に向けた国際社会共通の目標である「持続可能な開発目標」(SDGs)を意識した社会課題の解決にも取り組んでいる。主な取り組みとしては、サステナブルな社会の実現のためのUIJターン就職・移住促進事業の実施や、社会貢献のための各自治体と提携した就職氷河期世代の就職支援等がある。

これまでの取り組み実績としていくつか例を挙げると、ESGのE(環境)に関しては、CDPの質問書に回答している。また、ペーパーレス化を推進するため、電子契約システムや、クラウドワークフローシステムを導入し、見積書や契約書、稟議書、有給休暇申請などの各種書類の電子化を実施した。これにより、年間12万枚の書類が電子化され、杉の木約44本分、約614.4kgのCO2削減につながったという。また、「転職博」などのイベントにおいて来場者に配布する冊子のデジタル化を実施した。ESGのS(社会)に関しては、全社選抜型経営人材育成プログラムなど希望するキャリアの実現を支援する各種制度をさらに充実させたほか、「Re就活Woman」の運営などによりダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進した。ESGのG(ガバナンス)に関しては、ステークホルダーから信頼される企業であり続けるために、コンプライアンスに関する教育を徹底するなど、引き続き内部管理体制の整備に取り組んだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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