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児玉化 Research Memo(3):M&Aにより企業規模の拡大と事業ポートフォリオの強化を実現する

2025年08月20日 13:03 銘柄/投資戦略

*13:03JST 児玉化 Research Memo(3):M&Aにより企業規模の拡大と事業ポートフォリオの強化を実現する ■メプロホールディングスをM&A

2025年4月1日付で、児玉化学工業<4222>とメプログループの株主であるエンデバー・ユナイテッド2号投資事業有限責任組合との間で株式等の譲渡が成立。メプログループは、傘下に(株)ダイヤメット、柳河精機(株)の2社を擁し、鉄鍛造、アルミダイカスト、粉末冶金といった特性が異なる3つの金属加工製法を駆使し、自動車部品業界を中心に事業を展開している。このM&Aによって、企業規模の拡大のみならず、ポートフォリオ強化がなされることになる。

メプログループ2社の事業内容などは以下のとおりである。

1. 柳河精機
1952年の創業以来、高い技術力を駆使し、自動車の基幹部品であるエンジンや足回り部品を中心に展開してきた。現在は国内3社、海外3社の体制で、納入先の自動車メーカーにおいて車やバイクに組み込まれた製品が、世界中のユーザーに届けられている。手掛ける製品は、アルミダイカスト・鉄鍛造の2分野であり、これらが従前の児玉化学の製品ラインアップに厚みを持たせるのは間違いないと考えられる。ホンダ系のサプライヤーとして、高機能・軽量化・低コストを追求した独創的なオリジナル製品に対する評価が高い。アルミ需要の拡大を捉えた新規営業開拓の強化、XEV車(各種電動車)向け戦略製品の開発・拡販に努めている。同社のモビリティ事業は主に四輪向けの製品を得意としており、とりわけ二輪での取引が強化されることで事業の広がりと安定性の向上に大きく寄与できると考える。

2. ダイヤメット
三菱鉱業(現 三菱マテリアル<5711>)の新潟金属工業所として創設したのが始まりで、以降、粉末冶金の分野では数々の実績を築いてきたが、高精度を実現する品質の高さと圧倒的な生産性を武器に、焼結製品を活用できていなかった産業にも革新をもたらすことを追求している。同社の粉末冶金法は、精度の高さと生産効率の両立を実現しており、世界のトップメーカーからも信頼され、焼結含油軸受・焼結機械製品を世界各地に届けている。また、2020年に日本粉末冶金工業会工業会賞の新製品賞・デザイン部門で二輪車トランスミッション用焼結部品が受賞するなど、これまで数多くの受賞歴があり技術力の高さは折り紙付きだ。児玉化学は主に加工技術の開発を得意としてきたが、ダイヤメットの粉末冶金技術が加われることで素材開発にも着手できるようになった。中長期目線では、児玉化学の成長を大いに後押しすることになろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)

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