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日経平均は続伸、米金利低下を好感し一時32000円回復も米PPI前に様子見優勢

2023年10月11日 15:31 市況・概要

*15:31JST 日経平均は続伸、米金利低下を好感し一時32000円回復も米PPI前に様子見優勢 日経平均は続伸。10日の米株式市場でダウ平均は134.65ドル高、ナスダック総合指数は+0.58%とそれぞれ3日続伸。中国の新たな景気刺激策への期待に加え、アトランタ連銀総裁が利上げ打ち止めを再表明し金利が低下したことが相場の上昇を後押しした。米長期金利の低下や米国株高を引き継いで日経平均は100.57円高からスタート。ただ、前日に750円超と急伸し短期的な過熱感が意識されるなか、その後は32000円を手前にもみ合いが継続。一方、今晩の米卸売物価指数(PPI)の発表を前に持ち高を傾ける動きは限られた。中国の景気対策期待や香港株高のほか、韓国半導体大手サムスン電子の決算が前四半期比で堅調だったことも半導体株高を通じて相場を支援し、日経平均は後場に一時32000円を回復した。しかし、戻り待ちの売りに押され、大引けにかけては上げ幅を縮めた。

 大引けの日経平均は前日比189.98円高の31936.51円となった。東証プライム市場の売買高は13億2060万株、売買代金は3兆3822億円だった。セクターではゴム製品、精密機器、輸送用機器が上昇率上位に並んだ一方、海運、鉄鋼、倉庫・運輸が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の77%、対して値下がり銘柄は21%だった。

 個別では、米長期金利の低下を好感しレーザーテック<6920>やアドバンテスト<6857>、芝浦メカトロニクス<6590>、三井ハイテック<6966>、HOYA<7741>、東京精密<7729>、ローム<6963>などのハイテクが高い。ANYCOLOR<5032>、メルカリ<4385>などグロース(成長)株の一角も上昇。先週の下落がきつかったSUBARU<7270>、マツダ<
7261>、TOYOTIRE<5105>、ブリヂストン<5108>などの自動車関連は本日も買い戻しが優勢。ほか、東京電力HD<9501>を筆頭に電力株が堅調。決算ではリソー教育<4714>
が大幅高となり、Jフロント<3086>は業績上方修正で買い先行も失速して小幅高にとどまった。

 一方、前日に急伸した川崎汽船<9107>、郵船<9101>の海運のほか、東京製鐵<5423>、日本製鉄<5401>の鉄鋼が大幅反落。日米長期金利の低下を受けて三井住友<8316>
など銀行が軟調。中国が新たな景気対策を検討との報道が伝わったものの、牧野フライス<6135>、オークマ<6103>、SMC<6273>、キーエンス<6861>などは下落。増資による一株当たり利益の希薄化が懸念された日本ケミコン<6997>、月次売上動向が鈍化したMonotaRO<3064>はそれぞれ急落。決算が低調だったタマホーム<1419>、イオンFS<8570>、ワッツ<2735>も大幅に下落した。
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