Ｃ＆Ｒ社 Research Memo（11）：2026年2月期に売上高605億円、営業利益56.5億円を目指す
*17:01JST Ｃ＆Ｒ社 Research Memo（11）：2026年2月期に売上高605億円、営業利益56.5億円を目指す
■中長期の成長戦略
1. 中期経営計画
クリーク・アンド・リバー社<4763>は映像、ゲーム、Web、医療、会計、法曹など、同社が定義するプロフェッショナル分野において事業を展開し、持続的な成長を続けてきた。今後はこれら既存事業領域の深掘りに加えて、周辺領域への展開や付加価値の高い新規サービスを創出・育成することでさらなる成長を目指す考えだ。2024年2月期より、「プロフェッショナルとともに事業を創造することにより豊かな社会を創る」ことをテーマに、プロフェッショナルの生涯価値向上とクライアントの価値創造への貢献をビジョンに掲げた3ヶ年の中期経営計画をスタートした。
基本戦略は従前と変わりなく、「プロフェッショナル分野のさらなる拡大」「新規サービスの創出」「経営人材の創出」「コーポレート・ガバナンス強化」の4点を重点施策として取り組んでいく。業績目標としては、2026年2月期に売上高605億円、営業利益56.5億円を設定した。3年間の年平均成長率は11.1%増収、12.6%増益となる。営業利益率も前期実績の9.0%から9.3%と緩やかな上昇を見込んでいる。既存のプロデュース、エージェンシー事業の成長をベースに業績目標を達成する考えで、育成中の新規サービスや新設子会社の期待値については業績目標の中にはほとんど織り込んでいない。プロフェッショナル人材のネットワークを拡大することで今後も持続的な成長は可能であり、業績目標を達成する可能性は十分にあると弊社では見ている。
プロフェッショナル領域を50分野まで拡大し、長期目標として売上高1,000億円、営業利益100億円を掲げる
2. 長期目標
同社は、長期的な業績目標として売上高1,000億円、営業利益100億円を掲げている。営業利益率はプロフェッショナル知財エージェンシーへの取り組みを推進することで、10.0%まで引き上げることを目指している。プロフェッショナル領域を現在の8領域18分野から、将来的に50分野まで広げていくことに加えて、グループ資産を生かした新規サービスを育成することで目標達成を目指す。なお、エンジニア領域についてはまだ未進出となっており、子会社のC&Rインキュベーション・ラボを通じた出資やM&Aなども含めて、早期に足場づくりを進める考えだ。
また、プロフェッショナル人材ネットワークは現在の36.8万人から150万人に、顧客数は4.8万社から15万社に拡大することを目標としている。将来的にはプロフェッショナル人材のグローバルネットワーク構想を描いており、そのプラットフォームとなる「C&R Creative Studios Metaverse」β1版を2023年3月に公開した。クリエイター専用の仕事や交流に特化した日本初のメタバースとなる。クリエイター同士によるメタバース上での交流や、作品展示、セミナー、イベントなどを開催することが可能となる。現在は社内利用に限定しているが、展示エリア（クリエイターの作品集と展示・発表）や交流エリア（クリエイターと顧客の交流の場）、セミナールーム（ライブや講演などのイベント開催）など各種機能の拡充を図っており、早ければ2024年2月期中に外部のクリエイター等も参加できるようにする。
C&R Creative Studiosは日本最大規模の所属クリエイター（1,554名）と年間制作実績（6,000案件）を有し、今後もこうした強固な基盤を強みとして着実に成長を続けていくと見られる。将来的に海外のクリエイターなどもネットワーク化することを想定しており、ネットワークの規模を拡大することで成長ペースも一段と加速するものと予想される。
（執筆：フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲）
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