28日の香港市場概況:ハンセン指数は5日ぶり反落、不動産が下げ主導
*18:56JST 28日の香港市場概況:ハンセン指数は5日ぶり反落、不動産が下げ主導
28日の香港市場は5日ぶりに反落。主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前日比87.04ポイント(0.34%)安の25858.89ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が34.69ポイント(0.38%)安の9130.18ポイントと5日ぶりに反落した。
香港市場では景気先行きへの不透明感が投資家心理を冷やす一方、一部テック株に限った買いが支え材料となった。中国本土の不動産大手の経営問題を受け内需関連のリスクが意識され、金融や保険など本土系銘柄に売りが波及。一部報道によればこの経営不安が中国全体の経済見通しの警戒を強めた。特に国有大手銀行や生保を含む金融セクターがそろって軟調。これがハンセン指数の重荷となり、投資家は内需や信用リスクを避ける傾向を強めた。他方、テック株の一角では買いが入った。とはいえ全体としてはリスク回避ムードが勝った。
ハンセン指数の構成銘柄では、不動産業が下落率で最も大きく、チャイナ・オーバーシーズ(0688/HK)が2.85%安、華潤置地(1109/HK)が2.33%安、新鴻基地産(0016/HK)が0.60%安となった。背景には中国大手不動産企業の経営問題に加え、信用不安の再燃とそれに伴う景気悪化懸念がある。投資家のセンチメントは内需関連の見通し悪化を受けて慎重に傾いた。
続いて売りが目立ったのは金融業で、中国人寿保険(2628/HK)が1.68%安、AIAグループ(1299/HK)が1.77%安、工商銀行(1398/HK)が0.77%安となった。その他、平安保険(2318/HK)や中国建設銀行(0939/HK)なども軟調で、中国景気の先行き懸念が銀行や保険といった本土系金融株に対する売り圧力を強めた。
反面、カジノ・レジャー関連が買い優勢となり、ポップマート(9992/HK)が2.84%高、サンズチャイナ(1928/HK)が2.61%高、ギャラクシー・エンターテインメント(0027/HK)が1.36%高となった。中国本土からの観光需要回復期待やイベント需要への思惑が、消費関連や娯楽株への買いを後押ししたとの見方がある。
本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.34%高の3888.60ポイントで取引を終了した。
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