イスラエルとイランの停戦合意期待で39000円に迫る【クロージング】
*16:44JST イスラエルとイランの停戦合意期待で39000円に迫る【クロージング】
24日の日経平均は4営業日ぶりに大幅反発。436.47円高の38790.56円(出来高概算15億8000万株)で取引を終えた。イスラエルとイランの停戦合意への期待からリスク選好ムードが広がるなか、取引開始後に38990.11円まで上値を伸ばした。ただ、心理的な節目を前に戻り待ちの売りが出たほか、円相場は1ドル=145円台前半と円高に振れているため、利食いの動きが入りやすく、買い一巡後は38700円~38800円辺りでの推移が続いた。
東証プライム市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄が1000を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、非鉄金属、空運、証券商品先物、その他製品など20業種が上昇。一方、鉱業、石油石炭、不動産、海運など13業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ファーストリテ<9983>、レーザーテック<6920>が堅調だった半面、住友不<8830>、NTTデータ<9613>、ホンダ<7267>、菱地所<8802>、デンソー<6902>が軟化した。
前日の米国市場は、米連邦準備理事会(FRB)のボウマン副議長が講演で、早ければ7月会合での利下げを支持したことで利下げ期待が高まり、主要株価指数は上昇した。また、トランプ米大統領が「イスラエルとイランの間で停戦合意が成立した」と自身のSNSに投稿したことを受け、東京市場は取引開始直後から幅広い銘柄が買い戻された。地政学リスクの後退を受け、NY原油先物相場が大幅に下落したことで、燃料コストの負担軽減期待から航空株や電力株が値を上げた。
停戦合意への期待感から買われたが、イスラエル、イラン両国から停戦合意について正式な発表がないだけに、不安感が完全に拭えたとは言えないだろう。また、中東情勢への懸念が後退しても、米国の関税政策に関する通商交渉の行方など不透明要因は依然として残る。目先は配当の再投資などの需給要因もあり、日経平均は堅調に推移することが予想されるが、需給イベント通過後は不安定になりそうだ。
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