イージェイHD Research Memo(4):TSRの子会社化により民間向けが大きく伸長(1)
*14:04JST イージェイHD Research Memo(4):TSRの子会社化により民間向けが大きく伸長(1)
■E・Jホールディングス<2153>の業績動向
2. 受注・売上高の動向
(1) 受注高の動向
2025年5月期の受注高は前期比15.2%増の44,651百万円と3期連続で過去最高を更新した。TSRの寄与により受注件数は同42.9%増の4,127件と大幅に増加した一方で、受注単価は同19.3%減の10,819千円と低下した。TSRの受注単価が既存事業と比較して相対的に低いことが影響した。また、業務別受注高は建設コンサルタント業務が同10.2%増の37,470百万円、調査業務が同51.1%増の7,180百万円となった。
発注機関別の増減率で見ると、中央省庁が同2.5%減、都道府県が同0.3%減、市町村が同0.5%減といずれも若干ながら減少に転じた一方で、民間向けが同102.9%増と大きく伸長した。官公庁向けに関しては国土強靭化対策等の社会インフラ整備や脱炭素社会の実現に向けた環境対策関連などの需要が旺盛だったものの、手持ちの受注残高が高水準で選別受注を行ったこともあり微減となった。一方、民間向けの増加がTSRの寄与によるものだ。海外についてはJICAのプロジェクトが少なかったこともあり同23.8%減と減少基調が続いた。国内の地域別受注高は、TSRの寄与により関東が前期比26.9%増、中部が同32.7%増、近畿が同23.1%増、北海道・東北が同19.6%増と2ケタ増となった一方で、中国が同0.2%減、九州が同13.6%減と低調だった。
受注高のうち注力分野である技術提案型業務は前期比5.9%増の13,491百万円と増加に転じたが計画に対してはやや下回った。提出件数が同13.2%増の1,591件と過去最高を更新したものの、採択率が前期の23.6%から19.9%に低下したことが要因だ。年々競争が激化していることが採択率の低下要因になっていると見られる。採択率は生産性にも影響するため、採択率の向上が今後の課題となる。
また、同社が重点分野として掲げている6分野の受注高はTSRの寄与もあり、同12.6%増の25,673百万円と過去最高を連続更新し、会社計画(23,700百万円)に対しても上回った。構成比率は前期の58.8%から57.5%に低下したものの、着実に受注を伸ばしている。分野別では、自然災害リスク軽減分野を除く5分野で増加し、なかでもインフラメンテナンス分野が同26.9%増と大きく伸長したほか、公共マネジメント分野が同17.9%増、都市・地域再生分野が同12.4%増と2ケタ増となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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