来週の相場で注目すべき3つのポイント:米・イラン和平協議、IMF世界経済見通し、蘭ASML・台湾TSMC決算
*15:33JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米・イラン和平協議、IMF世界経済見通し、蘭ASML・台湾TSMC決算
■株式相場見通し
予想レンジ:上限58000円-下限54000円
今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比269.23ドル安の47916.57ドル、ナスダックは同80.47ポイント高の22902.89で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値630円高の574900円。終戦に向けたイランとの直接協議を控えて様子見姿勢が強まった一方、消費者物価指数(CPI)コア指数が市場予想を下回ったことで、半導体などのハイテク株には買い安心感が強まった。
米国とイランは11日にパキスタンで対面交渉を行う予定となっている。今後はこうした終戦交渉を見守る展開となるが、ウランの濃縮問題、ホルムズ海峡への関与など不透明要素も多く、2週間で交渉はまとまり切らず、期間は延長される可能性が高いように見受けられる。一方で、交渉の破談はすぐにでも顕在化する公算が大きく、不安定な相場環境が続くことは覚悟しておくべきであろう。戦争が終結した場合でも、原油相場が紛争前水準にまで戻るには時間を要し、その分は企業収益の悪化や個人消費の減速要因となる。米国株や日本株がリスク選好の動きから目先上値追いを続けるにしても、米国がイラン攻撃を行う前の株価水準を大きく超えていくような流れには至らないと判断される。
一方、米国では4月15日に納税期限を迎え、5月中旬までは税還付が行われるタイミングとなる。米国株の需給面における支援材料となり、日本株にも追い風となってこよう。グローバル資金の行方を左右するものとして、IMFの経済見通しなども注目されることになる。仮に日本の経済見通しが引き上げられた場合は、欧州を中心とする海外投資家の資金流入が期待される情勢に。ただ、ホルムズ海峡封鎖の影響が長期化するとみなされれば、日本経済見通しの下振れにつながる余地がある。
今週末に安川電機が26年2月期の決算を発表。27年2月期の営業利益見通しは想定の範囲内と捉えられるが、12-2月期の受注高は想定以上、増配計画とともにポジティブな反応が想定される。他のFA関連銘柄にも好影響を及ぼす可能性が高い。また、9日発表の3月の工作機械受注は、中東情勢悪化の影響が懸念されたものの想定以上に好調なものとなっている。全般的に設備投資関連を見直す動きが強まっていく公算があろう。
今週末にかけてはAI関連や半導体関連が強含んだが、15日には蘭ASML、16日には台湾TSMCの決算発表が予定されているため、来週も半導体関連株の動向に注目が集まりそうだ。とりわけ、TSMCに関しては、10日に第1四半期の売上高が公表されており、市場予想を上回るものとなっている。決算発表に向けては期待感が先行しやすいだろう。ただ、中東情勢悪化による資材の供給状況などはリスク要因となる。米国では来週金融関連株の決算発表が集中する。先月に傘下のプライベートクレジットファンドで解約請求が急増、解約を制限したことが分かったと伝わっているブラックロックなどに関心が向かうだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米国とイランはパキスタンの仲介で停戦に合意したが、イスラエルはレバノンで活動するイラン支援の武装組織ヒズボラへの攻撃を継続。米国とイランの戦闘終結に向けた協議の行方については予断を許さない状況であり、中東紛争の早期終結は実現困難との見方が多い。原油価格の再上昇によるインフレ加速を警戒した米ドル買い・円売りは継続する見通し。
ただ、来週公表される米地区連銀経済報告、4月NY連銀製造業景況指数、4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数などの重要経済指標が米国経済の減速を示唆する内容だった場合、リスク選好的なドル買いは後退しよう。また、今月開催の日本銀行金融政策決定会合において、追加利上げについて議論される可能性が高まっていることや、1ドル=160円台で日本の為替介入が想定されているため、投機的な円売りは160円台で一服する可能性もある。
■来週の注目スケジュール
4月13日(月):植田日本銀行総裁が信託大会であいさつ、マネーストック(3月)、米・中古住宅販売件数(3月)、中・資金調達総額(3月、15日までに)、中・マネーサプライ(3月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(3月、15日までに)、国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季会合(18日まで)、石油輸出国機構(OPEC)月報など
4月14日(火):鉱工業生産(2月)、設備稼働率(2月)、米・生産者物価コア指数(3月)、中・貿易収支(3月)、IMF世界経済見通し公表など
4月15日(水):コア機械受注(2月)、訪日外客数(3月)、米・輸入物価指数(3月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(4月)、米・NAHB住宅市場指数(4月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(2月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(2月)など
4月16日(木):対外・対内証券投資(先週)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(4月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・鉱工業生産指数(3月)、中・新築住宅価格(3月)、中・中古住宅価格(3月)、中・GDP(1-3月)、中・鉱工業生産指数(3月)、中・小売売上高(3月)、中・固定資産投資(都市部)(3月)、中・不動産投資(3月)、中・調査失業率(3月)、中・住宅不動産販売(3月)、欧・ユーロ圏CPI(3月)、英・鉱工業生産指数(2月)、英・商品貿易収支(2月)、豪・失業率(3月)など
4月17日(金):欧・ユーロ圏経常収支(2月)、欧・ユーロ圏貿易収支(2月)など
4月18日(土):米・FRB高官のブラックアウト期間開始(30日まで)など
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