欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米インフレ鈍化も下値で買戻し
*17:31JST 欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米インフレ鈍化も下値で買戻し
30日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。今晩発表の米インフレ指標は鈍化が予想され、ドル売りの手がかりになりやすい。ただ、前日から大幅に水準を切り下げており、値ごろ感から買戻しが見込まれる。
前日発表された米経済指標では改めてマイナス成長が意識されたほか、新規失業保険申請件数と住宅関連指標の悪化が嫌気され、米金利安を背景にドル売りが先行。米トランプ政権による一部高関税政策の差し止め判決とそれに対する控訴で不透明感が増し、ユーロ・ドルは1.1380ドル台まで上値を切り上げ、ドル・円は144円付近まで1円程度下落した。本日アジア市場で仲値にかけて国内勢のドル売りが続き、ドル・円は144円を割り込んだ。
この後の海外市場は米インフレ指標にらみ。今晩のコアPCE価格指数は鈍化が予想され、連邦準備制度理事会(FRB)のハト派的な政策余地をにらみ米金利安・ドル安に振れやすい。一方、高関税政策の判決については不透明感が増し、週末に向けドル買いは抑制されるだろう。大型減税法案をめぐり財政悪化への警戒も引き続き根強く、ドルの下押し要因になる。ただ、29日の取引で一時146円台へと強含んでいるため、143円台では割安感による買戻しが相場を支えるとみる。
【今日の欧米市場の予定】
・21:00 南ア・4月貿易収支(3月:+248億ランド)
・21:00 独・5月消費者物価指数(予想:前年比+2.1%、4月+2.1%)
・21:30 加・1-3月期国内総生産(10-12月期:前期比年率+2.6%)
・21:30 米・4月コアPCE価格指数(予想:前年比+2.6%、3月:+2.6%)
・21:30 米・4月個人消費支出(予想:前月比+0.2%、3月:+0.7%)
・22:45 米・5月シカゴPMI(予想:45.0、4月:44.6)
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