日経平均は5日ぶり大幅反落、パウエル議長講演前にハイテク売り広がる
*15:39JST 日経平均は5日ぶり大幅反落、パウエル議長講演前にハイテク売り広がる
日経平均は5日ぶり大幅反落。24日の米株式市場でダウ平均は373.56ドル安と反落、ナスダック総合指数は-1.87%と4日ぶり反落。好決算を発表した半導体大手エヌビディアの上昇が全体をけん引したが、その後に同社株価が失速したほか、週次新規失業保険申請件数が予想外に減少し長期金利が上昇したため下落に転じた。また、ボストン連銀のコリンズ総裁が追加利上げを示唆すると下げが加速した。米株安を受けて日経平均は446.3円安と32000円割れからスタート。為替の円安は支援材料にならず、指数寄与度の大きいハイテク株が広く売られるなか、序盤から下値模索の展開となった。今晩にジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控えた警戒感から積極的な押し目買いは手控えられ、中国・香港株の下落も重しとなるなか午後もじり安基調が続いた。
大引けの日経平均は前日比662.93円安の31624.28円となった。東証プライム市場の売買高は10億2175万株、売買代金は2兆7988億円だった。セクターでは電気機器、機械、その他製品が下落率上位に並んだ一方、海運、不動産、金属製品のみが上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の61%、対して値上がり銘柄は34%
だった。
個別では、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の大幅安を背景にアドバンテスト<6857>が約10%と急落したほか、レーザーテック<6920>、東エレク<8035>、ディスコ<6146>の半導体製造装置関連や、イビデン<4062>、芝浦メカ<6590>、エンプラス<6961>などのハイテクが全般大きく下落。SMC<6273>、安川電機<6506>のFA関連や、日立建機<6305>、クボタ<6326>、大阪チタ<5726>、三菱マテリアル<5711>、信越化学<4063>、レゾナックHD<4004>、三菱商事<8058>、三井物産<8031>など景気敏感株も総じて下落。
大阪チタと東邦チタニウム<5727>は、米ボーイングによる737マックス機の納入遅延の可能性が嫌気された可能性がある。福島第1原子力発電所での処理水の海洋放出が始まったことを嫌気してかニッスイ<1332>が大きく下落。傘下のそごう・西武の売却を最終決定するための取締役会を延期した7&I-HD<3382>も売られた。
一方、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>の海運のほか、日本郵政<6178>、F&LC<3563>、JR東日本<9020>などのディフェンシブ系の一角が堅調。韓国最大手デリバードコリアとの資本業務提携が報じられたBEENOS<3328>は大きく上昇。レーティング格上げが観測されたライオン<4912>やクラレ<3405>も高い。ほか、エムアップHD<3661>、Sansan<4443>、テクノメディカ<6678>、物語コーポ<3097>、河西工業<7256>、ANYCOLOR<5032>、メディアドゥ<3678>などが東証プライムの値上がり率上位に入った。東証スタンダードでは政策保有株式の縮減と自社株買いが好感されたダイドーリミテッド<3205>、グループ会社がトヨタ自動車<7203>向けに部品供給を開始した森六ホールディングス<4249>が買われた。
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