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富士紡HD Research Memo(8):2026年3月期は30円増配の年間配当金160円を予定

2025年12月16日 12:08 銘柄/投資戦略

*12:08JST 富士紡HD Research Memo(8):2026年3月期は30円増配の年間配当金160円を予定 ■株主還元策

富士紡ホールディングス<3104>は株主還元の基本姿勢を明確にし、利益還元のさらなる充実を図るために、2026年3月期より、配当に関する定量的な目標水準として、配当性向35%及び株主資本配当率(DOE)3.5%を下限とすることを明示している。特に、DOE3.5%を下限とすることで、資本コストを意識した財務運営に取り組んでいる。配当性向35%とは裏を返せば、成長投資に65%配分することである。利益のうち35%は株主に還元するが65%は成長投資に回し中長期的な企業価値を高めて、株主に還元するという考え方で、研磨材事業、化学工業品事業の成長投資に振り向ける内部留保を確保している。もちろん、成長を期待しつつも安定的な配当も重要視するものであり、その目安としてDOE3.5%を下限としている。

「安定配当の継続」については、同社は過去17年間にわたり配当の増配・維持を継続しており、今後もこれを継続する予定である。高業績となった2025年3月期は、年間配当を130円とし20円の増配を実施した。さらに、2026年3月期中間期末には15円増配の75円を実施し、2026年3月期末には15円増配の85円とすることで、年間配当160円を予定している。また、期中に自己株式を累計5億円取得している。



■企業価値向上への取り組み
2025年9月、2024年に続き「統合報告書2025」を発行した。今回の統合報告書では、同社の強み、成長戦略、サステナビリティ経営への取り組みの紹介に加えて、コア事業である研磨材事業に関する記述が充実している。事業部門共通の視点(事業概要、業績、事業の強み、「増強21-25」期間の振り返り、成長戦略)に加え、半導体製造工程における研磨パッドの役割やCTOメッセージ、「研究開発×知的財産」座談会などの内容が追加されたことで、研磨材事業の研究開発の現状と将来像がより明確になり、ステークホルダーの関心に配慮していることがうかがえる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)


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