日経平均は反落、バリュー買われるも米CPI直前で方向感に欠ける
*15:27JST 日経平均は反落、バリュー買われるも米CPI直前で方向感に欠ける
日経平均は反落。12日の米株式市場でダウ平均は17.73ドル安と4日ぶり反落、ナスダック総合指数は-1.03%と3日ぶり反落。消費者物価指数(CPI)の発表を13日に控えるなか警戒感が上値を抑制。新製品発表にサプライズが乏しかった携帯端末のアップルや決算が嫌気されたソフトウエアのオラクルの下落が重しになり、ハイテク中心に下落した。米株安を受けて日経平均は34.08円安からスタート。為替の円安を追い風に寄り付き直後は一時上昇に転じる場面もあったが、今晩の米CPIを前にした警戒感や中国・香港株が下げ幅を広げたことが重しになり、前引けにかけては軟化。午後は手掛かり材料難のなか中間配当の権利取りを狙った買いなどでバリュー
(割安)株を中心に強含む場面もあったが、引けにかけては再び失速するなど方向感に欠ける展開となった。
大引けの日経平均は前日比69.85円安の32706.52円となった。東証プライム市場の売買高は14億7589万株、売買代金は3兆5483億円だった。セクターでは電気機器、建設、精密機器が下落率上位に並んだ一方、ゴム製品、海運、陸運が上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の58%、対して値上がり銘柄は39%
だった。
個別では、中堅外資証券が目標株価を引き上げた横浜ゴム<5101>、外資証券が投資判断を引き上げたブリヂストン<5108>が大きく上昇。為替の円安を追い風にトヨタ自<7203>、スズキ<7269>の輸送用機器の一角も高い。ほか、川崎汽船<9107>を筆頭した海運や、第一生命HD<8750>、東京海上HD<8766>の保険、原油市況の上昇を好感した石油資源開発<1662>、出光興産<5019>のエネルギー関連、日本製紙<3863>のパルプ・紙、住友鉱山<5713>、DOWA<5714>の非鉄金属などバリュー系が全般高い。
三菱UFJ<8306>や筑波銀<8338>、島根銀<7150>などの銀行株は連日で強い動きを見せた。JR東日本<9020>、JR東海<9022>の陸運、Jフロント<3086>、良品計画<7453>、しまむら<8227>の小売など内需系も堅調。
配当方針の変更と増配を発表したアートネイチャー<7823>、好決算が材料視された学情<2301>、神戸物産<3038>、未定としていた配当実施を発表した沖縄電力<9511>などが大きく上昇。クスリのアオキ<3549>、ツルハHD<3391>、TOA<6809>は投資判断の引き上げが確認された。東証スタンダードでは業績上方修正や増配が好感されたオービス<7827>、来期からの配当方針を変更したウエスコHD<6091>などが大幅高となった。
一方、HOYA<7741>、東京精密<7729>の精密機器、ルネサス<6723>、ディスコ<6146>、アルバック<6728>の半導体や、キーエンス<6861>、ソフトバンクG<9984>、日立製<6501>などハイテクが全般下落。イビデン<4062>は新製品発表を受けた米アップル株の下落が影響した。三井ハイテック<6966>は想定以上の業績下方修正を受けてストップ安まで売られた。今期見通しが市場予想を下回ったラクスル<4384>や、資金調達に伴う株式価値の希薄化が懸念されたジャフコ<8595>も大幅安。ほか、住友ベークライト<4203>、東京応化<4186>の化学、外資証券が投資判断を引き下げた大成建設<1801>、清水建設<1803>をはじめとした建設の下落が目立った。
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