全般こう着のなかで材料株やIPOに資金シフト
*08:36JST 全般こう着のなかで材料株やIPOに資金シフト
25日の日本株市場は、やや売り優勢の展開になりそうだが、押し目買い意欲の強さが意識されそうである。24日の米国市場はNYダウが171ドル安、ナスダックは75ポイント安だった。米新築住宅販売件数が予想を上回り、住宅市場の改善期待から買われる場面もみられた。ただし、前日の米連邦準備理事会(FRB)パウエル議長の講演を受けて追加利下げ期待が後退するなかで、利益確定の売りが優勢になった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の45375円、円相場は1ドル=148円80銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや売り先行で始まることになろう。昨日の日経平均株価は前場終盤にかけて45205円まで下げる場面もみられたが、後場に入り切り返しており、終盤にかけて45693円まで上げ幅を広げる場面もみられた。ただ、このけん引役となったのはソフトバンクG<9984>であり、日経平均株価を216円押し上げていた。同社のインパクトによる影響が大きいだけに、本日もソフトバンクGの動向が注目されることになりそうである。
指数インパクトが大きいことで、ソフトバンクGの動向次第では先物市場で仕掛け的な動きをみせてくる可能性もあり、全体にも影響を与えることになるだろう。引き続き強含む動きとなれば、AI関連株への広がりが意識されそうだ。そのほか、トランプ米大統領が、NATO加盟国は領空を侵犯したロシア機を撃墜すべきだと述べたほか、ウクライナの勝利の可能性についてより共感的な姿勢を示したと報じられている。これが防衛関連株への物色に向かわせる可能性はありそうだ。
国内では政策に絡んだテーマ物色に向かわせやすいほか、東京都は、指定地域で新たに宅地を開発する場合、敷地内の電柱の新設を原則禁止とする全国初の条例の制定を目指す方針を固めたと報じられている。「無電柱化」に関連する銘柄への物色も強まる可能性はあるだろう。相場全体としてはこう着感が強まる可能性があるなかで、材料株物色は活発になりそうだ。そのほか、GMOコマース<410A>が東証グロース、オリオンビール<409A>が東証プライムに上場する。同日上場となるため、資金分散の影響を受ける可能性はありそうだが、1ヵ月ぶりのIPOとなることで堅調な初値形成が見込まれる。
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