飛島ホールディングス Research Memo(4):変革は3つの事業枠と3段階の時間軸で推進
*11:04JST 飛島ホールディングス Research Memo(4):変革は3つの事業枠と3段階の時間軸で推進
■飛島ホールディングス<256A>の今後の見通し
3. 「Innovate the future plan」:変革への道筋
(1) 「Innovate the future plan」について
「Innovate the future plan」は、「未来を革新するStory」において、同社グループの「トランスフォーメーションの姿」(変革への過程)と「その実現に向けた経営戦略(道筋)」を示すものだ。未来に向けた革新を意識し、従来の枠組みや方法にとらわれず、新しい価値や可能性を創造していくことを主是としている。「社会課題の解決」をキーワードに、企業と社会の持続性を両立させる視点で、未来の建設業の姿を「インフラアンチエイジング産業※1」という概念で捉え直し、「建設事業のリスキリング事業※2」を推進していく。
※1 建設に関わる技術の提供だけでなく、近い将来訪れるであろう「循環型社会」を背景としたインフラの安全性・信頼性の維持に関わる一連の建設関連サービスを提供する複合産業。
※2 同社グループの経営リソースを、特に地域における建設産業へ提供することで、その機能の維持を目的とした事業。
具体的な事業枠としては、「建設事業(総合建設事業)」「グロース事業(建設関連事業:シナジー創造)「イノベーション事業(建設DXサポート事業:建設業デジタル化・その他事業)の3つの側面から推進を図る。
(2) 「トランスフォーメーション」に向けた経営戦略
短期視点:足元の課題解決に向け、建設DXの推進で生産プロセスの高度化を追求する。
バトンゾーン:次世代型事業ポートフォリオへの変革に向け、事業領域の拡充と事業規模の拡大を推進する。
(建設事業)
現在の総合建設業を延長・拡大する。特にリニューアル分野を深耕する。
(グロース事業)
建設に関連したその他事業、建設業とシナジーが得られる事業へ展開する。「長寿命化」「環境関連」「防災・減災」などを想定し、循環型社会への移行を見据えた専門性のある企業との連携を進める。連携の具体例としては、非住宅木造建築領域におけるナイス<8089>との合弁会社(株)ウッドエンジニアリングの設立などがある。
(イノベーション事業)
建設業デジタル化等の新エリア及び非建設業を含むその他事業へ展開する。将来起こり得る建設供給ギャップ対策を見据えて、先進性のある企業との連携を進める。
さらに各事業における時間軸としては、「短期」「バトンゾーン」「長期」の3つに分けて推進していく。
短期:足元戦略、現在の課題や問題を解決・推進する期間
バトンゾーン:スタートは現在から。次世代型事業ポートフォリオへの変革に向け、事業領域の拡充と事業規模の拡大を推進
長期:社会環境変化の速度次第であり、明確な年度を設定せず方向性のみ示す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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