ダイコク電 Research Memo(4):2026年3月期中間期は特需はく落により減収減益も、計画を上回る進捗
*13:04JST ダイコク電 Research Memo(4):2026年3月期中間期は特需はく落により減収減益も、計画を上回る進捗
■ダイコク電機<6430>の決算動向
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比12.0%減の30,372百万円、営業利益が同23.3%減の6,985百万円、経常利益が同23.0%減の7,038百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同23.7%減の4,736百万円と減収減益ながら、期初計画を上回る進捗となった。
減収となったのは、新紙幣発行に伴う改刷対応特需の反動によるものであり、その点は想定内である。その影響を除くと、実態としては計画を上回る増収となった。「情報システム事業」は、スマート遊技機(特にスマートパチンコ)の導入が想定以上に進んだことに伴い、スマート遊技機に最適な同社製品(カードユニットや呼び出しランプ等)が順調に伸びた。「アミューズメント事業」についても、自社ブランドのスマートパチスロ機の販売が計画を上回った。「その他」は、前期のM&A先が期初から寄与した。それらの結果、改刷対応特需の反動の影響を受けながらも、中間期としては過去2番目の売上水準を達成することができた。
利益面でも、改刷対応特需の反動により減益となったが、「情報システム事業」が高水準を維持したほか、「アミューズメント事業」が大きく利益貢献し、計画を上回る水準を確保した。営業利益率も23.0%と高い水準を維持した。
財政状態については、現預金の増加等により総資産は前期末比7.6%増の61,635百万円に拡大した。一方、自己資本も利益準備金の積み増しにより同8.3%増の49,058百万円に拡大し、自己資本比率は79.6%(前期末は79.1%)と僅かに上昇した。
(1) 情報システム事業
売上高は前年同期比21.8%減の25,449百万円、セグメント利益は31.0%減の7,123百万円と改刷対応特需の反動により減収減益となった。ただ、スマート遊技機の導入※1に伴う設備投資意欲の高まりを背景に、カードユニット「VEGASIA」や新製品となる「BiGMO XCEL」「TJ-01」、ならびに準新製品の「REVOLA2」「DUALINA」の販売が好調に推移した※2。また、サービス売上高についても、パチンコホールのDX化やスマート遊技機の普及に伴う市場変化に対応するMGサービスが順調に加盟店を増やし、業績の底上げに寄与した。
※1 2025年9月末のスマートパチンコ機の設置台数は約46万台(前期末比+18万台)、設置割合は23.3%(前期末比+14.6pt)に大きく増える一方、スマートパチスロ機の設置台数は約77万台(前期末比+7万台)、設置割合は56.3%(前期末比+9.7pt)と着実な伸びとなった。なお、スマートパチンコ機が順調に伸びてきた背景には、1)「ラッキートリガー3.0プラス」を搭載した新たな遊技性能を持つ機種が7月から登場したこと、2)スマートパチンコ機の稼動状況が好調なこと、3)遊技機メーカーの開発方針がスマートパチンコへ舵を切り始めたこと(スマートパチンコは様々なゲーム性を設計しやすい)などがあげられる。
※2 スマート遊技機の普及により、これまでの玉積みによる出玉アピールができなくなり、新しい可視化手法へのニーズが高まる中で、同社の「BiGMO XCEL」「REVOLAII」「DUALINA」は、大型液晶や演出技術を生かし、出玉感や賑わい感を表現できるほか、ファンが求める多様化する遊技データの特徴に合わせた演出を実現できる。また、ホール運営の省人化が急速に進むにつれて、業務効率を高める統合端末への需要が一気に高まっており、精算機とPOSを一体化した「TJ-01」は、「限られた人員で安定運営したい」というホールのニーズを捉えている。
利益面でも、改刷対応特需の反動により減益となったものの、主力製品の伸びやMGサービスによるストック収益の積み上げにより高い利益水準を確保し、セグメント利益率も28.0%と高水準を維持した。
なお、同社「DK-SIS」データによると、遊技機全体の稼動状況(2025年7月〜9月)は前年同期比−1.3%と底堅く推移した。特に、スマートパチンコ機の稼動は非スマートAT系機種比122.2%、スマートパチスロ機の稼動は従来機種比121.7%となっており、スマート遊技機が稼動全体の伸びをけん引している。
(2) アミューズメント事業
売上高は前年同期比132.9%増の4,292百万円、セグメント利益は1,063百万円(前年同期は2百万円の損失)となった。売上高は、グループ会社DAXELが開発し2025年5月に市場導入したスマートパチスロ機「ようこそ実力至上主義の教室へ」の販売が計画を上回ったこと(販売台数5,500台を完売)に加え、グループ会社の元気(株)による自社ゲームタイトル「首都高バトル」※が業績に寄与した。
※ 18年ぶりのリリースとなったが、2025年1月に早期アクセス版として配信を開始すると、Steamの国内ランキングで1位を獲得。グローバルランキングでも2位でランクインした。2025年9月にはフルリリース版のSteam版を発売するとともに、PlayStation 5版の開発決定も発表した。
利益面でも、将来を見据えた開発投資を継続しつつも、自社パチスロ機の市場導入により大幅な増益(黒字化)を実現した。
(3) その他
売上高は前年同期比353.0%増の659百万円、セグメント損失は12百万円(同119百万円の損失)となった。前期のM&A先※が期初から業績寄与した。利益面でもPMIが順調に進み、黒字化も見えてきた。
※ 西本産業、LILIUM、ログオンシステム、箱根ガラスの森リゾート
2. 2026年3月期中間期の総括
2026年3月期中間期のポイントは、特需はく落により業績は一旦減速したが、スマート遊技機が順調に稼動を高めながら普及してきたこと、そして何よりも同社の主力製品がホールの設備投資需要をしっかりと取り込めていることを確認することができたところにある。スマート遊技機時代に対応した競争力のある新製品を提供できている証と言えるだろう。また、データ活用による経営支援型のMGサービスが着実に加盟店を増やしているところや、注力する自社パチンコ機の販売が計画を上回ったところも、同社グループの実力を実績で示したという点において、今後に向けても期待が膨らむ材料となった。一方、スマート遊技機の導入が想定を上回ったことで、業績が計画を大きく上振れたところは評価できるものの、需要の先食いといった見方もできるため、その点は今後の動向を冷静に見ていく必要がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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