ジェイ・エス・ビー Research Memo(8):安定配当と業績に応じた利益還元の両立を重視
*13:08JST ジェイ・エス・ビー Research Memo(8):安定配当と業績に応じた利益還元の両立を重視
■株主還元策
ジェイ・エス・ビー<3480>は、株主に対する利益還元を経営の最重要課題の1つと位置付け、持続的な成長と企業価値向上のための積極的な事業展開や様々なリスクに備えるための財務健全性のバランスを考慮したうえで、業績に応じた利益配分を行うことを基本方針としている。配当については、安定的かつ継続的な配当と業績に応じた利益還元の両立を重視し、総還元性向((配当支払額+自社株買い)÷当期純利益)20%を目標に毎期の配当額を決定する方針である。自己株式の取得についても、株主還元や資本効率向上のため、時期及び財政状況に応じ機動的に実施する考えだ。
同社では、株式の流動性を高めるとともに、投資家層の拡大を図ることを目的に、2023年11月1日に1株につき2株の割合で株式分割を実施した。また、2024年10月期の期末配当は、普通配当52.0円とグランユニライフケアサービス譲渡に伴う特別配当20.0円の合計72.0円(前期比40.5円増)とした。例年、自己株式の取得を実施していたが、2024年10月期は実施を見送った。その結果、配当性向は20.3%、総還元性向も20.3%となり、2019年10月期以降は目標とする総還元性向20%を達成している。
2025年10月期についても普通配当金78.0円(前期比6.0円増)の増配を計画している。また、自己株式取得も機動的に実施する予定で、同社は株主への利益還元に前向きであると評価できる。予想配当性向は30.0%に上昇し、2024年3月期の東証プライム市場不動産業平均の31.7%に近づいている。推進中の中期経営計画に基づいて成長が見込まれる事業分野に経営資源を投入することで、引き続き持続的成長と株主価値増大の両立が可能であると弊社では見ている。
同社株式は、2022年4月の東証市場区分見直しに伴い、グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場である「プライム市場」に移行した。好業績を反映して同社の株価及び株価評価は上昇基調にあるが、2025年2月4日現在、同社の予想PERは9.0倍程度に留まり、引き続きプライム市場平均15.4倍を大きく下回っている。一方、同社では2024年10月期も決算説明会、スモールミーティング、個人投資家向け説明会を開催し、個別面談や施設見学会を行うなど、引き続きIR活動に積極的に取り組んでおり、特に施設見学会は好評だった。こうした取り組みの結果、同社の中期経営計画に沿った順調な業績拡大や、株主還元に対する前向きな姿勢への理解が深まるに伴い、投資家からの評価もさらに高まるものと弊社では考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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