明豊エンター Research Memo(1):2024年7月期第2四半期は投資需要に応え多数の物件供給で大幅な増収増益
*14:01JST 明豊エンター Research Memo(1):2024年7月期第2四半期は投資需要に応え多数の物件供給で大幅な増収増益
■要約
明豊エンタープライズ<8927>は、投資用賃貸不動産の開発・販売を中核とする総合不動産デベロッパーであり、東京23区を中心に、150棟を超える新築1棟投資用賃貸住宅を供給している。賃貸マンション「EL FARO(エルファーロ)」、賃貸アパートメント「MIJAS(ミハス)」の投資用不動産開発を主力に、開発用事業用地の販売などを手掛ける。不動産分譲事業については、資産価値の下がりにくい城南・城西地区を中心に、駅から徒歩10分以内と利便性に優れた立地条件で展開している。スペインの地中海をコンセプトとした魅力的なデザインのほか、最新のトレンドをおさえた上質な設備・仕様で高稼働・長期間稼働で、両シリーズとも平均稼働率約97%(2024年2月時点)を実現しており、資産防衛、相続税対策に有効な安定的投資用商品として支持されている。不動産賃貸事業では、自社保有のマンション・ビルなどの賃貸、販売した賃貸マンションの建物管理やサブリースなどを手掛ける。請負事業では、主に自社の投資用不動産物件の工事請負、リフォーム工事などを行う。
1. 2024年7月期第2四半期の業績概要
2024年7月期第2四半期の連結業績は、売上高で10,868百万円(前年同期比221.1%増)、営業利益で1,374百万円(前年同期は89百万円の利益)、経常利益で1,192百万円(同67百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益で835百万円(同46百万円の損失)となった。不動産市場においては、国内の低金利環境や円安傾向を背景として、特に住居系不動産を中心とする投資用不動産への海外投資家の投資意欲が引き続き高く、需要・供給とも堅調に推移している。このような追い風を背景として、同社の強みを生かした物件調達や設計・施工、及び販売活動を推進し、特に主力である不動産分譲事業において大幅な増収・増益を達成した。立地条件に適した用地を厳選して取得しつつ、高い設計・施工力で主要ブランドである「EL FARO」や「MIJAS」といったシリーズの物件を開発し、さらには高い購買力を持つアジア圏(台湾、香港、シンガポール等)の投資家を積極的に開拓した結果、好業績を実現した。
2. 2024年7月期の業績見通し
2024年7月期の連結業績は、売上高で19,355百万円(前期比26.9%増)、営業利益で1,661百万円(同27.3%増)、経常利益で1,187百万円(同22.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で687百万円(同7.7%増)とする期初予想を据え置いている。今後も「物創りにこだわった、総合デベロッパー」として、「MIJAS」シリーズや「EL FARO」シリーズを主力事業に期中で25棟前後の物件供給を進めていく考えだ。2024年7月期は既に同シリーズについて13棟の引渡しを完了しているが、第3四半期以降販売予定であった物件を第2四半期に繰り上げて販売したこともあり通期業績予想は据え置いた。しかし例年の実績は下期にかけて大きく進捗する傾向にあることから、事業推移は順調であるといえよう。主力事業については、引き続きメインターゲットとする都内城南・城西地区を中心に事業の用地仕入や物件開発を推進している。足元の環境を見ても、中国本土の不動産不況や円安状況の継続、インバウンド需要の増加など、アジア圏の投資家や富裕層にとって日本国内の不動産は投資対象として魅力的であると考えられ、投資対象不動産への需要は引き続き堅調に推移するだろう。この好環境を捉えて好業績を維持していくためには、同社が強みを持つ地域において良質な投資物件を継続的に供給できる体制を整えることが課題になると考えられる。
3. 強み
同社は東京23区内でも特に立地の良い城南・城西地区を中心に不動産投資戦略をプランニングしている。同社にて土地取得から開発と販売を担当し、グループ会社において、(株)明豊エンジニアリングと(株)協栄組が設計、建設を、(株)明豊プロパティーズが入居者管理、建物管理、アフターサービス、マーケティングに基づく入居者入替時の募集条件提案を担うことで、資産価値が高く安心できるアパートメント・マンション経営をワンストップでフルサポートできる点が強みとなる。昨今の円安傾向を背景にアジア圏の投資家の安全・安心な東京の不動産に対する投資への関心が高まるなか、同社は2023年3月より、海外投資家需要への積極販売を始めた。台湾における「不動産投資共同セミナー」及び、台北市サロンでの商品資料展示や日本投資用不動産Webサイトへの商品掲載が可能な「MIJサービス」を積極活用し、「台湾富裕層向、日本不動産投資セミナー」を2023年3月に実施した。2024年3月には海外投資家への販売強化を目的に、インバウンド需要の回復や円安加速の影響により日本の不動産投資に対する需要が増加傾向にあるシンガポールに初進出している。強みである土地取得から開発、販売、施工、管理までをグループ会社で担う一貫体制により、シンガポールの投資家ニーズや市場動向に合わせて安定した供給を可能としている。
■Key Points
・2024年7月期第2四半期は堅調な投資需要に応え、多数の物件供給を実施し大幅な増収増益
・2024年7月期も堅調な需要を背景に良質な物件を供給して2ケタ成長を目指す
・海外投資家への販売強化に向けて、アジア圏での販売ルートを順次拡大
・土地取得から開発、販売、施工、管理までをグループ会社で担う一貫体制が強み
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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