ヒガシ21 Research Memo(11):連結配当性向30%以上を目安に利益還元
*13:31JST ヒガシ21 Research Memo(11):連結配当性向30%以上を目安に利益還元
■ヒガシトゥエンティワン<9029>の成長戦略
3. 株主還元策
株主還元については、長期的発展の礎となる財務体質の強化と安定配当の維持を基本としつつ、成長により獲得した利益を、連結配当性向30%以上を目安に還元する方針である。この方針に基づき、2024年3月期の配当は前期比6.0円増配の36.0円(期末一括)とした。配当性向は31.4%となる。2025年3月期の配当は前期比2.0増配の38.0円(期末一括)を見込んでいる。4期連続増配で予想配当性向は30.6%となる。中期経営計画2026では2026年3月期の配当目標に40.0円を掲げており、中長期的な利益成長に伴ってさらなる株主還元の充実も期待されると弊社では考えている。
サステナビリティ経営も推進
4. サステナビリティ経営
サステナビリティ経営(ESG経営)については2021年12月に「サステナビリティ基本方針」を制定し、さらに中期経営計画2026でグループパーパス「安心をずっと、驚きをもっと。人と技術とITで、新たな価値を創造し、豊かな明日へつなぎます。」を制定した。物流事業者として「物流の安定供給への貢献」「責任ある企業経営の実践」に向けて、サービス提供価値の向上やITサービス事業のさらなる強化などによって事業成長を図るほか、サステナビリティ経営も推進する方針だ。
気候変動に関する取り組みとしては、GHG(温室効果ガス)排出量削減に向けて、社有車における低公害車導入率10%以上の達成などを推進するほか、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示を強化する。
人的資本価値向上への取り組みでは、中期経営計画2026の目標達成に向けて、採用戦略・労働環境整備等を通じた人材確保、既存人材のスキルアップによる生産性向上を推進する。なお「働きやすい職場認証制度(正式名称:運転者職場環境良好度認証制度)」において、同社とワールドコーポレーションが二つ星認証を、ほかグループ4社が一つ星認証を取得している。さらに、女性管理職比率は2026年3月期末10%以上、男性育児休業取得率は毎期50%以上、有給休暇取得率は毎期63%以上を目指している。
コーポレート・ガバナンス強化では、2019年6月に指名委員会等設置会社に移行し、経営における監督と執行の分離を明確にして、独立性・客観性の高い経営監督機能の強化と大幅な権限移譲による迅速な業務執行を進めている。また、取締役・委員会実効性評価を継続し、さらなるガバナンス強化に努める方針である。
5. 弊社の視点
同社は、中期経営計画2026の最終年度目標を上方修正するなど、意欲的な長期ビジョンに基づく業容拡大戦略の成果が顕著に表れている点を弊社は高く評価している。成長戦略の加速によって中長期成長ポテンシャルが高まることが期待されるだけに、引き続き成長戦略の進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SI>